UmehanaChildcareCommunicationsは「大人が輝く背中を子どもに見せる」をモットーに、保育者のやりがい促進・継続支援・離職防止へ向けた研修をしています

山口県人づくり財団にて「育成のもどかしさが成長の喜びに変わるコーチング研修」

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山口県 人づくり財団にて
「育成のもどかしさが成長の喜びに変わるコーチング研修」を行ってきました。

担当者の方からコーチングのご依頼をいただいたものの、
事前の参加者アンケートの結果からは
「後輩への伝え方」に関するニーズが高く表れており、
講座の構成に、かなり悩みました。
結果的に、コーチングの技術に
アンケートで上がってきた切り口への導線を敷き、
身近な園での事例を多く交えて紹介した内容は
「あるある!」
「私が思っていたことは、私だけじゃないんですね・・・。」
「講座に出て、すっきりしました!」
~と、好評をいただく結果となりました。

以下、レジュメを元に内容をご紹介します。

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1.育成の課題
●保育現場の現状・課題
・後輩育成 ~ 「見て、盗め」は通用しない?!
‐新たな育成方法の再構築
・多様性あふれる保育現場
‐男性/女性
‐新人/中堅/ベテラン
‐20代/30代/40代/50代/60代
‐ 生え抜き職員/他園を経験した職員
‐保育の道一本/異業種からの転職
‐保育に思いを持っている人/仕方なく保育をしている人
・保育士のマネンジメント・モチベーションUP
‐自発的に動く保育士を育てるには?
‐仕事に対する意欲を高めるには?
‐活発な意見飛び交う会議を行うには?
・メンタルのフォロー、途中退職の防止
‐心が折れてしまう前に、保育士のフォロー
‐保育士不足な状況の中で退職を防ぎ、足並みを揃えるために

●現場に有効な人材育成の方法
・模   倣: 従来のやり方。自発的に気づきを得て、行動を獲得していく。
・ティーチング:教えることが主流。
( 早番遅番の流れ・指導案の書き方・リーダーの役割・子育て支援の在り方…etc )
・コーチング :共感・質問・承認・待つことによって
自分の中にある答えを引し、行動学習とつなげていく。
【ティーチングの後は、コーチングが有効】
<あなたの職場で課題と感じていること>
<この時間の最後に目指す状態、園に持ち帰りたいもの>
*目標設定・現状認識が重要(意識化する)~セルフコーチング

2.コーチングとは
*デモセッション
ふつうの会話とコーチングの要素を入れた会話

<ちがいは?>
●コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を目的達成へと
導くことを指す。大前提は、「相手の中に、答えがある」
承認・問い掛け・投げかけなどを通じて、内側にある可能性を呼び起こす。
⇒保育で子どもにかかわる時の視点と近い

●保育に役立つコーチング技術
【傾聴】 - 信頼関係を築くかかわり方
【観察・フィードバック】 - 気付きを促す関わり方
【質問】 - 学び・気づき・気持ちを引き出す関わり方
【承認】 - モチベーションを上げるかかわり方
~これらを中心に、現場で役立つかかわり方を身につけましょう!

3.信頼関係を築くかかわり方
<ワーク~3つの聴き方を体験>
* 話し手:仕事をしていて、やりがいを感じること
* 聞き手:3つのパターンの聞き方を体験する
1.話を奪う・叱る・説教をする・自分(の興味や関心)を中心にアドバイス・
2.相手を中心に聞く(質問や会話もOK)
3.感情に寄り添って、聞く(相手の中にある深い感情に共感し、言葉にする)
<話してみて感じたこと・聞き方によるちがい>
<聞き手を体験してみて感じたこと・話し手の反応>

4.可能性を広げるかかわり方
*職員の育った環境背景・価値観・人との関係性・文化などによって、
物事の捉え方はひとそれぞれ。
“ちがい”によって、幅が広がる
そのためにも、まずお互いを受け入れ合い 心を開くこと!
~どんな価値観(生きていくうえで大切にしたいこと)があるのか?
Ex:時間が大切、礼儀を大切にしたい・・・
~幼いころの体験・家庭のルールなどから

●傾聴
受容や共感を通して話を聴くことで、
話し手が自分に気が付くアプローチ
・受容(相手の言葉・感じたことをありのままに受け止めること)
・共感(自分のことを深く理解してくれた、と感じ 安心感が生まれる)
・あいづち・うなずき(「あなたの話を聞いています」「理解してます」の意)
・笑顔(あなたの存在を受け入れていますよ、のサイン)
・呼吸・言葉・場・仕草・声の大きさ/高さ・視線・ペースを合わせる
(無意識の安心)

【傾聴・ペーシングが現場で役立つ場面】
□日常会話に
□職員との信頼関係の構築に
□相談に応じる場面
□コミュニケーションが取りにくいと感じる方とのやりとり
□職員のメンタルフォローに

4.気付きを促す関わり方
●観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め、伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。
【フィードバックが現場で役立つ場面】
□園内全体の状況把握に
□職員の体調・健康状態のチェックに
□思いつめている職員のフォローに
□無自覚な行動・さらに良くなるための指導・アドバイスに

5.学び・気づき・気持ちを引き出す関わり方
●質問で可能性を広げる
人は意識上に上っているものが2%。98%は無意識と言われている。
・質問によって、無意識を意識化する
「なにが分かった?」 (教えた後の振り返りによって、伝わった内容を確認)
「どんなかんじ?」 (相手の内側で起こったことに焦点を当てる)
「何が起こったの?」 (その時の状況を、本人の目線で話してもらう)
「学んだことは?」 (体験したことから学習する機会を作る)
「まず、何からやってみる?」(次の自発的な行動を引き出す)
「何を大切にしているの?」(譲れない価値観を探る)
―――――――質問時、大切なのは「好奇心」
<これまでのところでの学び・気づきについて、ペアワーク>

●スケーリング ~1の「育成の課題」を思い出し、書き込んでみましょう。
1.「10段階の、どのくらい?」
“課題と感じていること”を10段階のうちで表すと?

2.「すでに上手くいっていることは?」
1でも2でも、上手くいっていることがあります。そこに注目しましょう。
上手くいっていることは、続けましょう!

3.「さらに良くなるために、できることは?」
10が理想ですが、まずは現状から一つだけ上がるためにできることは?

4. 「いつからやりますか?」
⇒機会を自分で見つけ、行動する決意をする
終了後は報告を促し、報告に対して承認と今後につながる棚卸しでフォローを!
【質問が現場で役立つ場面】
□伝わった内容の確認をする
□研修の学びや、失敗体験からの気づきを引き出す
□モチベーションを上げる
□会議や集団から意見を引き出す
□意見をまとめていく
<応用編>
グループディスカッション
・否定しない~「いいね!」と受け止める
・「ありがとう」~意見を出してくれたことに感謝
・「他には?」で意見を募る

6.モチベーションを上げるかかわり方
●感情に寄り添う
保育は感情労働。心にフタをしたままでは、前に進むことができない。
~自分の感情を大切にする/子どもだけでなく、大人同士の感情
喜・怒・哀・楽、さまざまな場面において、感情を分かち合う。

●承認
相手のいいところ(できていること)を伝えることで
信頼感・安心感が生まれ、勇気につながる。
(存在承認・成長への承認・チャレンジへの承認・成果を分かち合う)
<ペアになり、相手に承認を伝えるワーク>
<園内さんへの承認の言葉>
⇒ぜひ園でも、伝えてみましょう!
【感情に寄り添う・承認が現場で役立つ場面】
□憤りや、感極まっている場面のフォロー
□感情のセルフマネンジメント
□モチベーションを高める
□面談の場面で、今後の意欲につなげる
□本人が気づいていない良いところを伝えたい時

7.本日のまとめ・振り返り
コーチングが機能する土台
~ふだんからのコミュニケーションを大切に!
【き】季節  「桜の花がきれいに咲きましたね。」
【ど】道楽  「カメラがお好きなんですね。最近はどんなものを?」
【に】ニュース「いま話題になっているアナと雪の女王、見ました?」
【た】旅   「最近、どこかお出かけになりましたか?」
【て】天気  「天気が下り坂だそうで、帰り道が心配ですね」
【か】家庭  「お姉ちゃん、いくつになりました?」
【け】健康  「お肌のつやがいいですね!何かされてますか?」
【し】仕事  「最近、○○組さん どんな感じですか?」
【衣】衣服  「今日の洋服、夏らしくていいですね!」
【食】 食べ物 「駅前の○○おいしいんですって。行ったことあります?」
【住】住居  「○○にお住まいなんですね。いいところですよね~。」
<コーチングの要素を融合し、お互いの成長の喜びを感じる毎日に>
・後輩育成
まず、自分でやらせてみる! → 質問で振り返りを行う →
→ 次なる一歩を引き出す → できたこと喜び合う→ さらなる一歩へ
・保育士のマネンジメント・モチベーションUP
「あなたを気に掛けているよ」というサインを送り、
喜怒哀楽を分かち合い、支え合う仲間に。
・途中退職の防止
気持ちに寄り添ってとことん聴く。
「一人ではない」「見ているよ」というメッセージを伝え、存在承認を。
・面談・相談時
傾聴・承認・共感・問い掛けを織り交ぜ、
本人の中で起こる変化に耳を傾ける
大切なのは、「本人の中に答えがある」ということを信じて待つこと。
<ペアコーチング>
Q.1 理想の園内とは?
Q.2 上手くいったらどうなりますか?
Q.3 そのために、どんなことができますか?
<コーチ体験の学び>
<クライアント体験の気づき>
<明日からの一歩>

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<いただいた感想を一部、ご紹介します>

・とても興味のある講義でした。
現場をご存知なので、理想論ではなく具体例もあり、
好感が持てました。

・一日があっという間に終わるくらいに、
とても内容の濃い素晴らしい講習でした。
講義・演習の順番・ペアワーク等の流れがとても分かりやすく、
実りの多い一日でした。

・保育士の研修というと、すぐ保育技術的な内容になってしまいがちだが、
そうではなくて円滑な人間関係づくりを焦点にしたもので、
それがひいては保育の質・私設の質につながることが理解できた。

・「職員の育った環境背景・価値観・人との関係性・文化などによって、
物事の捉え方は人それぞれ」という言葉から、
園内の職員に共通認識を持ってもらうことのむずかしさをあらためて感じました。
でも、めげずに上手く園を進めていきたいと思います。

・とても楽しい研修で、一日笑っていたような気がします。
いままでコーチングの研修を受けた中で、
肩ひじを張らず受けられました。
職員間での悩みを抱えているので、明日から実践したいと思います。

・保育園で起きる日常的な事例でコーチングのことを話されていたので、
具体的で分かりやすかったです。

・例として出されたことは当園にもあてはまることばかりで、
思わずうなずいてしまうことがほとんどでした。

・今までも研修でコーチングを学びましたが、
難しくて実際にはできていませんでしたが、今回はできると思いました。

・「相手の中に答えがある」そうなんだ、と気づけました。
つい、私がしてしまう方が早い、と思ってしまう自分がいました。

・一つ一つの項目において、感想や気づき、まとめを書くところがあり、
講師の方の言われたことを記入するだけでなくて
自分の考えたことを書くので理解度が違う。(考えないと、書けない)

・私自身も少し前向きになれました。

・喜怒哀楽の“怒”と“哀”は悪い感情ではない、
ふたをしてしまうと“喜”と“楽”に支障が出るということが、
印象的でした。
職場では“怒”は表に出すことはできませんが、
隠さなくてもいいのだと少し気持ちが楽になりました。

・メンタルヘルスの研修も受けたのですが、その中でも
「自分自身のケアは?」と思う部分がありました。
その気持ちを先生が代弁して下さったので嬉しかったです。

・最後に「理想の園内とは・・・」とペアコーチングをした時に、
前向きに理想を考え、口にしたことでとても励みになり、
これからいつも理想を思い描いていきたいと思いました。

・同じ立場の人と話すことで共感したり安心したり、
アドバイスをもらったりしました。

・職員間の色々な思いを受け止め、さまざまな可能性を信じ、
育成に当たっていきたいと思いました。

・子どもと一緒で、認めてもらえる・共感してもらえる・ほめてもらえることは
自分を認め、自信につながり、やる気につながるのだと感じました。

・後輩に何かを「注意しよう」と思うと気が重くなりますが、
「気づかせてあげ、一緒に成長しよう」と思う
コーチングの方法を学べたことで、声を掛けやすくなりました。

・まずは相手を観察し、いいところを見つけてから始めて行こうと思います。
そこから、思ったことを言葉に変えていい顔をたくさん引き出し、
笑顔の多い職場づくりをしていきたいと思いました。

・一つ一つに対して、振り返りの時間を持つ(静かに書く)時間で、
内省をすることができました。

・ユーモアも交えて、分かりやすい、聞きやすいお話でした。

・とてもきれいな声で、聞きやすかったです。
コーチングってなんだろうとインターネットで調べると、
日本では合わず失敗するところが多く、
ネーミングを変えるような文章もあったので
どんな研修なんだろうと興味深かったのですが、
保育園ではとても有効なのではないかと感じました。

・グループディスカッションでは、
初対面の先生たちとの話で同じ悩みがあることを知り、
参考にもなり、反省点も見つけることができました。

・先生の話の合間の“ウフ”“ありがとうございました”という言葉が
チャーミングで和みました。

・今日のコーチングにより、他園の先生たちと触れ合い、
一緒に学ぶことができ 幸せでした。
見方・考え方・自分の心の満たし方・後輩育成・・・
さっそく実践していきたいと思います。

・保育の職場のあらゆる対象にあてはめて考えることもできるし、
社会全般に参考になることばかりで、
とても利になる経験だったと思います。

・質問事項に書いたことが解決できた。

・もどかしさの原因が少しわかった気がします。
「見て盗め」の先の解決法が見えました。

・午前中の時間があっという間に過ぎてしまった。
演習もあり、和やかな雰囲気で良かった。
グループに分かれていたので(人数も6人前後で良かった)意見が聞きやすかった。
初対面であったが、話しやすかった。

・堅苦しい話ではなく、笑いがあったりで楽しかったです。

・全てが具体的で、即役立つと思います。

・コーチングをすることは同時に、
自分の人間性を磨くということに気付いた。

・自分自身が成長していくコーチング、すごいと思いました。

・OJTの成功はベテランの意識次第だと感じました。

・最後のまとめの「笑い合える環境を作ろう」という言葉が印象的でした。
私の園も、ずっとそう笑い合える環境を保って行きたいと思いました。

・内容がとてもよかった。まだまだ話が聞きたい。

・主任という立場の者は、心が疲れています。
先生の笑顔で癒されました。

・今日一日、存在を認めて下さっていることが
ひしひしと伝わってきました。
園に戻って少しずつがんばれそうです。

・仕事だけでなく、人間的に成長できそうな気がします。
自分も相手も、園全体・・・成長していきたいです。

・先生の一番多く発した言葉「ありがとうございました」
おもしろいと思った言葉「落とし込む」

・笑顔がステキでした!

・先生の素敵な話術と姿にあこがれました。
子どもから見てもモチベーションが上がると思うので、
松原先生のような保育士でいたいと思いました。

・CANがウケました。
周囲が明るくなるようにしたいと思います。

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現場でがんばっているみなさんにとって、前に進むきっかけとなる
具体的な研修でありたいと願っております。

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