保育士・幼稚園教諭のためのコミュニケーション講座を
新潟県市町村総合事務組合にて、担当してきました。
保育士も幼稚園教諭も、
「保育」や「子どものかかわり」とともにその大前提となる職員間のコミュニケーションが、
プロとしての力を発揮するための大前提となります。
日頃、目に見えない“空気”のようなコミュニケーション。
さて、どんなものがあるだろう?
日常を過ごす中で、どんなことに困っているだろう?
さらに良い保育現場になるために、
どんなことがクリアになると良いだろう?
~ということで、ワークを通じて日常に思いを馳せ、
ふだんのかかわりを客観的に捉え直し
忘れがちだけども大切なことを握り直しながら
システムシンキングの視点からさらに効果的な人間関係の調整方法を
実際のシチュエーションを借りて実感し。
その後にコーチングで日常に生かすためのきっかけを持ち帰る時間となりました。
当日の流れは、このようになりました。
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1. 保育現場におけるコミュニケーションとは?
<日頃のコミュニケーションに思いを馳せるワーク>
・お鍋の中のお出汁が、コミュニケーション
・「見て覚える」?!
・保育の技術と保育者間のコミュニケーションは別物だった!
Q:職場でのコミュニケーションについて感じていること・
理想の状態について、
それぞれの感じていることを上げてもらう
・苦手な相手を受け入れるには?
☆ペーシング
無意識に行っている行動を相手に合わせていくことで、
相手は自分に近いと感じて安心する。
信頼関係によって心を開き相手の存在・
言葉を受け入れやすくなる。
<言葉以外のペーシングワーク>
・感情との付き合い方~保育は感情労働~
<感情を味わってみるワーク>
2.保育者間の信頼関係を高めるコミュニケーション
保育におけるコミュニケーションの対象者は
1.子ども
2.保護者
3.保育者
会話の中にも、
・思わず口をついてしまう、あんな言葉
・会話が弾む、共感の言葉
・深い共感・「理解してもらえた」と感じられる言葉
~など、いろいろあるのではないか。
◆ワーク:3人一組で順番に体験する
・話し手 * 自分の体験の話をする
・聞き手 * NGワード → 共感ワード → 感情に焦点を合わせた聞き方をする。
・オブザーバー* 2人の会話の様子を観察し、後に振り返りを伝える。
<NGワード> 言ってみて、言われてみてどんな気持ちになったか
<共感ワード>言ってみて、言われてみてどんな気持ちになったか
<感情に焦点>言ってみて、言われてみてどんな気持ちになったか?
3.職場の問題を解決へ導くアプローチ
・職場と風土
・システム思考で糸口を見つける
システム思考とは…
2.ヴィジョン(理想の状態を言語化し、書き出してみる)
3.クリエイティブテンション~創造的緊張(かけはしになるもの)
1.リアリティ(あなたの職場の風土・現状)
<現在の状態>
<理想とする状態>
4. 自発性を引き出すコーチング
デモコーチング
☆パターン1
☆パターン2
~2つのちがい・気が付いたこと
・コーチングとは
対話によって自発性を引き出す手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、相手を目的達成へと導く。
大前提は、「相手の中に、答えがある」
承認・問い掛け・投げかけなどを通じて、内側にある可能性を呼び起こす。
・コーチング4つの要素
① ペーシング
② 観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め、伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。
③ 承認
相手のいいところ(できていること)を伝えることで
信頼感・安心感が生まれ、勇気につながる。
④質問
質問によって、視点が転換する
1.気持ちを引き出す質問
2.どうなりたいかを引き出す質問
3.行動を起こさせる質問~アクション
~これらのことを踏まえて、講座全体の振り返りをコーチングで!
<ワーク:
「気づいたこと・現場に役立てたいこと」をテーマに、
ペアでコーチングを体験してみましょう!>
Q:話してみて、感じたこと
Q:コーチングについて感じたこと
5.本日のまとめ・振り返り
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<参加者の感想を一部ご紹介します>
・実践の中で生かしやすい内容だったので、良かったです。
・自分の中に答えがあることを学べたので、今後に生かしたいと思います。
・会話は続かなくても良いといわれて、ハッとしました。
いままで、なんとか話題を探り、コミュニケーションを取ろうとしていましたが
ペーシングが大事だというのがとても印象的でした。
・コミュニケーションをどう深めて行ったらいいのか・・・
日々感じる課題を実践の中でいろいろ方法をお聞きし、活用していきたいと思いました。
・「相手から帰ってくる言葉に答えがある」というのが印象的でした。
・図にして見ると位置関係が分かり、客観的に見ることができた。
・人間とかかわるというのはとても難しいですが、楽しいことだと思いました。
・ロールプレイがあり、考える時間もあり、一日楽しく受講させていただきました。
・ユーモアを持って教えること、伝えることの大切さを感じました。
・どうすれば相手の本音を引き出してあげられるか・・・大切な課題だと感じました。
・コミュニケーション力は経験値による---というのが印象的でした。
そして、職場で育てられるというのも。
・自分の感情と向き合うことの大切さを感じました。
・円になってのキャッチボールは、会議やクラス懇談会の前に
距離を縮められる良い方法だと思いました。
・他のところから来た保育士と、話ができて良かったです。
・コミュニケーションを取り、楽しい職場にしていきたいです!
・研修でよく「周りと連携を取るためにコミュニケーションを密に取る」といいますが、
具体的にどうしたらいいのか、分からなかった。
今回は具体的な方法を聞くことができて、良かった。
・にこやかでフレンドリーに接して下さり、
ユーモアや体験談を交えてのとても楽しい時間でした。
・「なるほど!」「へぇ~!」の連続でした。
一日だけの研修でしたが、一つ一つの内容について
もっと細かく研修を受けてみたいと思いました。
・「コミュニケーションが大切だ」と言葉では言うけれど、
こんなにも奥が深く、興味深いものだと知り、もっと学びたいと思いました。
・先進的な切り口から職場を変える方法を教えていただき、勉強になった。
・相手の立場に立ち、物事を考えていくことができたら
トラブルも少なくなっていくだろうなと感じました。
・コミュニケーションが苦手でしたが、今回の研修を受けたことで自信につながりました。
今後に生かしていきたいと思います。
・具体的に事例を通して考えたことで、身近に感じることができた。
言葉・仕草ひとつで反応が変わって驚いた。
・感情にふたをしがちだったことに気が付いて、涙が出そうになった。