UmehanaChildcareCommunicationsは「大人が輝く背中を子どもに見せる」をモットーに、保育者のやりがい促進・継続支援・離職防止へ向けた研修をしています

文京区にて、現任保育士研修~後輩指導と中堅職員の資質UP~

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ご依頼をいただき、文京区にて
中堅保育士さん対象の講座を一日担当させていただきました。
今回のテーマは、後輩指導と中堅職員の資質UP。
当初は保育指針の内容に基づいて、振り返りを・・・という案もあったのですが、
先生たちはきっと、沢山の学びや気づきを現場でしてきているはず。
「答えはすでに、持っている」というコーチングの大原則をひもとき、
今回は
育成は自分の成長のきっかけにもなる
⇒コーチング実践
⇒保育の中で大切にしたいこと・理想の状態・
明日からできることについてのディスカッション
⇒学びを腹に落とすコーチングセッションで締めくくり、
~という流れにしてみました。
進めていく中で上がってきた声として
「言語化するのが難しい」というものもあったのですが、
午後からのディスカッションで取り入れたワールドカフェは、大好評!
園を越えて、様々な先生たちとざっくばらんに保育について語り合う中で
多くの交流・気づき・確信があったようです。

以下、レジュメと参加者の声をご紹介します。

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1.はじめに~今回の講座の趣旨
●新人~中堅へ・・・
 立ち位置・視点の変化

●中堅職員への期待
・保育の質を上げる
・後輩育成
・園全体に視野を広げ、上と下をつなぐ役割

<後輩育成の意義>
○園内の一体感を高め、保育の質を上げる
 新人職員による“新しい風”を取り入れることで園が再構築され、
 新たな強みを持った職員集団の形成が可能になる。

○園内業務の円滑化
 後輩が育つことで、これまでの業務を任せられ、
 運営が楽になる。
 仕事を任せたことで、一段高い視野から
 園内を見回すことができるようになる。

○保育・業務を客観的に捉え、改善する機会となる
 これまでの無意識の“当たり前”を言語化し、
 伝えていくこととなる。
 再認識する中で湧いて来た疑問・
 やり取りの中で出てきた改善点によって
 結果的に保育が向上していく。

○自己成長の機会
 「自分で動く」視点から、
 指導技術を身に着ける“自己成長”の機会。
 何気なく行ってきた自らの振る舞いを見直すことで
 少しゆとりが生まれる。
 育成はエゴを手放し、忘れた頃に成長する。
 ~根気と気力が養われる。

●今回の講座では・・・後輩育成を切り口に
・育成のスキルを身に着ける
・職員間のかかわりかたを見直す
・保育の見直しを行い、意識を新たにする

<あなたがいま、課題と感じていること・理想の状態・現場に生かしたいこと>

2.育成とは
保育業務に必要なノウハウを共有し、
実際に能力を発揮していくための育成指導。
かつては「見て、盗め!」と言われたが、最近は学びの機会も。
実際には、業務の中で教え・教わっていくもの。

●現場に有効な人材育成の方法
・模倣:従来のやり方。自発的に気づきを得て、行動を獲得していく。
・ティーチング:教えることが主流。
(早番遅番の流れ・指導案の書き方・リーダーの役割・子育て支援の在り方…etc )
・コーチング:共感・質問・承認・待つことによって
自分の中にある答えを引し、行動学習とつなげていく。

<ティーチングの後は、コーチングが有効>
後輩指導で大切なのは、
ゴールの共有と本人の成長をサポートするコミュニケーション

3.相手に伝わりやすい伝え方
・教える際
※「分かっているだろう」という死角を言語化する
前提(背景・意義・目的) + 順番・流れ + ポイント
Ex:運動会
Let’s TRY!発表会を伝えるには?
・指導する際
※一方的に伝えるのではなく、相手にとって良いこと・
 行動の意味を言語化することで視野が広がり、
 アクションへのハードルが下がる。
伝えたいポイント + 相手にとってどんな意味があるか + 確認
Ex:あなたの後輩は時間にルーズで、遅刻が目立ちます。
どう伝えるとよいでしょうか?
遅刻をすると、信頼を失うよ。
ふだんあなたが一生懸命やっているからこそ、
みんなから信頼してもらえるように、時間を守ろうよ。どう?
<Let‘s TRY!>
挨拶ができない後輩がいます。
あいさつの意義を、どう伝えますか?
どうすればできるようになるでしょうか?
【伝えたいポイントは?】

【相手にとって意味があることは、どんなことか?】

*それらを踏まえた上での伝え方(文章)

4.コーチングコミュニケーション
デモコーチング    ☆パターン1
           ☆パターン2
~2つのちがい・気が付いたこと
・コーチングとは
対話によって自発性を引き出す手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、相手を目的達成へと導く。
大前提は、「相手の中に、答えがある」
承認・問い掛け・投げかけなどを通じて、内側にある可能性を呼び起こす。
<コーチングで保育に役立つ4つの要素>
(1) ペーシング
【ペーシングとは】無意識の部分を相手に合わせることで、相手が心を開く
(信頼関係のベースを整えること)
・笑顔(あなたの存在を受け入れていますよ、のサイン)
・呼吸・言葉・場・仕草・声の大きさ/高さ・視線・ペース)
・あいづち・うなずき(「あなたの話を聞いています」「理解しています」)
                    ~を相手に合わせること
*ペーシング体験・感想・活用できそうな場面

(2)承認
【承認とは】存在を認めること
承認は、心の栄養になる。心が温かくなるような承認の言葉かけを!
→自信が付き、モチベーションが高まる
2つの承認:「無条件の承認」と「条件付けの承認」
「無条件の承認」
在り方・過程・上手くいっているところ・成長に焦点を当てる
・「おはよう」「おつかれさま」といった挨拶や、笑顔。
・「あなたはここにいる価値がある存在ですよ」というサイン
・本人の人となりで良いところ~「愛されキャラだよね」など
・保育でがんばっているところ・認めているところ
 ~「手遊び、上手だよね」「記録の書き方、上手になったね」
・努力している姿・過程への励まし
「なかなかうまくいかないかもしれないけど、
 がんばっているのは分かっているからね。もう一息、頑張ろうね」
「条件付けの承認」
何かができた時・上手くいった時に掛ける承認の言葉
・任されている仕事がうまくいったときに「良かったね!」
・ピアノがうまく弾けたとき「うまく弾けたね!」
・評判が良かった時「楽しかったって声が聞かれたよ!」
成果が出た時には成果を承認し、喜びを分かち合いましょう!
育成者の期待値に届かないと、ぎくしゃくしてしまうことも・・・。
結果につながらなくても、努力をしている姿勢を認めていることを
まずは声に出して伝えましょう。

*同じグループメンバーに対する承認のメッセージを書いてみましょう
*あなたの後輩さんへの承認を書き出してみましょう!

(3)質問
【質問とは】学びを自分の力に変える“問い掛け”
人は問い掛けられると、思考が回り始める。
⇒受け身だった人にも、スイッチが入る!
「どう伝わった?」
(⇒伝えた内容を相手がどう受け取ったか、どこまで伝わったかの確認)
「どう感じた?」
(⇒相手に起こっていることを知ることで、
次にどうかかわればいいかが見えてくる)
「○○について、どう教わった? 」
(⇒本人の中の認識を知る機会になる)
「何が原因だったんだろう?」
(⇒原因を自分で探りに行く時間を持つ)
「この体験から、何を学んだ?」
(⇒体験からの学びを引き出し、教訓・知恵にする)
「今後は、具体的にどうしていく?」
(⇒注意すべきこと・心掛けることなどを引出し、今後につなげる)
~など
※“問い掛け”の注意※
誘導尋問にならないように!~心的なプレッシャーで逆効果になる
問い掛けは、あくまでフラットに。
「相手と一緒に考える」ようなスタンスが良いでしょう。

●行動から得た学びが、成長につながる
出てきた答えはすでに伝えていたこと・教えていたこと?!
体験を振り返り、答えを見つける2つの意味
1.新たなアンテナが立ち、学びを吸収する姿勢ができる
~素通りしてしまった情報を、あらためて受け入れる準備ができる。
2.本人のキャパシティー(容量)に余裕を作る!
問い掛けにより、脳内が整理されていく。
自分で答えを出すことによって情報がつながり、“知恵”になる。

☆ワーク : コーチングセッション

コーチ役:質問を中心としたかかわりで、気づきと学びを深める
クライアント役:ここまでの気付きについて話をする
オブザーバー役:観察・フィードバックをする
<感じたこと・印象に残ったこと>

(4)観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め、伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。

5.保育に関する後輩への指導実践内容
後輩への指導で大切にしたい保育の視点
・保育の中で大切にしたいことについて、ワールドカフェ
・内容を煮詰めるディスカッショングループワーク
・各グループの発表で印象に残ったこと

6.保育の質を高める人間関係
ふだんからのコミュニケーションが人間関係の土台になる
【き】季節  「桜の花がきれいに咲きましたね。」
【ど】道楽  「カメラがお好きなんですね。最近はどんなものを?」
【に】ニュース「いま話題になっているアナと雪の女王、見ました?」
【た】旅   「最近、どこかお出かけになりましたか?」
【て】天気  「天気が下り坂だそうで、帰り道が心配ですね」
【か】家庭  「お姉ちゃん、いくつになりました?」
【け】健康  「お肌のつやがいいですね!何かされてますか?」
【し】仕事  「最近、○○組さん どんな感じですか?」
【衣】衣服  「今日の洋服、夏らしくていいですね!」
【食】 食べ物 「駅前の○○おいしいんですって。行ったことあります?」
【住】住居  「○○にお住まいなんですね。いいところですよね~。」

☆ワーク : コーチングセッション
コーチ役:質問を中心としたコーチングのかかわり
クライアント役:理想の園内・理想の状態・できることについて話をする
<感じたこと・印象に残ったこと>

7.本日のまとめ・振り返り

これから生かしていきたいこと

おつかれさまでした!
ご活躍、心より応援しております。

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<参加者の感想を、一部ご紹介します>

・話をすることに苦手意識があったのですが、
 コーチングやグループでの話し合いを通じで、
 抵抗がなくなってきたように感じます。

・“分かっているだろう”という死角を言語化する、というお話が
 印象に残っています。
 いつも当たり前のようにしていることを言語化することで、
 自分にとっても振り返りになると感じました。

・思っていることを言語化するということが難しかったですが、
 やっていくうちに慣れました。
 習慣づけられるようにしたいです。

・自分に余裕がないと育成はできないので、
 余裕が持てるような言い方や仕事の仕方をしていきたいです。

・具体的に詳しく説明していただき、わかりやすく楽しく研修できました。
 話したり聞いたりすることで、自分の話したい内容が明確になりました。

・グループワークを通じて宅の先生たちとの情報交換ができて良かった。

・ふだんあまりほめられることが少ないため、相手を褒めることで
 人間関係・コミュニケーションがスムーズになることを実感しました。

・承認がとても、印象的でした。あのふせんは、宝物にしておきます。

・大勢の方と、たくさん話し合うことができ、良かったです。

・話にうなづいていただけて、決して否定するわけではなく
 認めていただいているという安心感を感じながら研修を受けることができました。

・グループワークが多く、緊張の連続でしたが、学べることが多くありました。
・後輩育成への戸惑いを感じていましたが、
 自分自身が立ち位置に柔軟に対応できていなかったことに気が付きました。

・「見て、学ぶ」をしてきたので、考えの違いに気づきました。

・見て学ぶ、って高度で難しい・・・ということに、あらためて気づきました。
 私も苦労してやっていました。

・承認によって、人として大事にされていることを知ることができた。

・言いづらい 話しづらい人に対しても
 「リクエスト」という魔法の言葉を使っていきたい。

・言葉に出したり、文章にすることでさらに頭に入り、気づきになってよかった。

・お話を聞くだけではなく、その都度自分たちで考える時間を作ってくれたことで
 さらに身近なものになり、意味が解るようになりました。

・先生の話し方、説明の仕方 とても分かりやすく 来て良かったです。

・付箋あり、模造紙あり、ホワイトボードあり・・・楽しかったです。

・全体を見るために会場内を良く動いて下さりました。感謝です。

・一日、長い時間でしたが聞くだけではなく
 実践も交えて学ぶことができ、楽しかったです。
 とても勇気が出ました。自信が付きました。

・後輩は見て盗もうにもアンテナがない、ということを
 もっと思いやるべきだったと反省しています。

・役割分担しながら話してみると、気持ちを言語化でき、
 様々な視点から考えられました。

・とても良かったです。書籍化してください。

・以前にもお話を伺ったことがあって印象に残っていたので、
 今回も楽しく参加させていただきました。

・これまでは、具体的に話してもらいたいと思いはあっても
 やり方が分からなかった。
 コーチングセッションを経験でき、すぐに生かせる勇気が湧いた。
・ワールドカフェ、よかったです。

・グループワークで話したことを共有することで、
 みんな思うこと・感じることは似てるんだと感じた。

・今まで後輩育成について深く考えたことはなかったのですが、
 育成するということで自分自身も成長していること・
 保育園全体のスキルアップにつながるのだということを感じました。
 今後は積極的に取り組んでいこうと思いました。

・複数担任の人間関係の在り方やかかわり方について、
 すごく考えさせられた研修だった。

・大人も子どもと同じで、認められたり褒められたりする土台と関係がないと、
 伝わらない・受け入れられないというのをあらためて感じた。

・ここ数年で急増した後輩、そして中堅といわれるようになって
 とても戸惑っていました。
 具体的なお話を通じて、何かほっとしてスーッとした気持ちです。

・まず、認識が違う、というところから入っていけば、
 良い関係が作れると思いました。

・自分自身が新人の時のことを思い出しました。

・まだまだ眠っている可能性を引き出したい!と思います!!

・どこの園も 悩みやチームワークについて考えることは同じなんだなと感じました。

・後輩に限らず、職員間でも使えるコミュニケーション方法を教えてもらいました。

・自分のモチベーションアップにつながった。
 相手を褒める・認めることの大事さを実感。

・ありがとうございました。実践に行かせる研修で、実になりました。
 自分磨きの時間となりました。

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今回、あらためて感じたのは
「保育は、感覚を通してスキルを体感・研ぎ澄ましていく“職人技”である」ということ。
だからこそ、伝承していくのが難しく、
言語化することで世代間ギャップを越えるのが
現場の課題であるということ。
けれども、参加された先生たちの
保育について語り合っている時のきらきら輝く瞳を見ていて
「ああ、この国は大丈夫だな。」
~と、思いました。
こんなに愛情たっぷりで素敵な保育士さんたちが、
最前線の現場を支えている。

そこで育まれた子どもたちや、その先にいるご家族が
これからの日本を創っていくんですよね。
ぜひ、現場でたくさん力を発揮していただきたいと思います♪

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