3月7日の保育士コミュニケーション講座は、
「4月から動ける保育士になるための実践講座」。
保育士にとって「動ける」ことは、何より重要。
けれども、机上の空論ではなく実際に考えて動くことは
さまざまな要素と経験値がものを言う、
奥深いものでもあります。
今回の講座は学生さん・4月の就業開始を控えた方・
現役保育士のみなさんが参加し、
実際の現場で起こっていることを例に挙げてひも解き、
実際のワークを通じて一緒に考える時間となりました。
<以下、レジュメを元にご紹介します>
1.はじめに
現場に入った時、まず立ちはだかる壁
―――「動けない」
「動ける」「動けない」とは
・体験・実習生の動き
・初めて入ったS先生の動き
自分は今何をする必要があるのかを考え、
必要な判断をして行動する必要がある!
<動けるようになるための道のり>
① 子どもの状況をイメージする
↓
② 自分のすること(求められていること)を理解する
↓
③ 体が動く(必要な行動が取れる)
↓
④ 子どもを促す・声掛けする
↓
⑤ 寄り添いながら、次の動作につなげることができる
2.保育業務の視点とらえ方
【保育における「子どもの動き」は「主役の動き」】
●子どもたちは、一人一人が劇の主役。
~様々な立ち位置にいる主役が、どう活躍し
どのような舞台の上で力を発揮するのか?
⇒シナリオを考えるのが、年間指導計画であり月案であり、日案
●主役がのびのびと成長するための環境づくり
・必要な配慮とは?
・必要な準備とは?
・主役がいい状態で活躍できるため、マネージャーの動きは?
~それらを考え、行うのが すべて 保育士である。
●保育士に求められる動き
⇒プロデューサー・指揮者・コンシェルジュ・黒子etc
~臨機応変に子どもにとって必要な形になる!
●子どもへの「ねがい」が動くための“軸”
「こんな大人になってほしい。
そのためには、こういった体験をさせてあげたい。」
~子どもを中心とした視点から、全ての環境構成を考えること。
「いま、どう動けばいいのか」が見える、“動ける保育士”になる
3.状況として求められるチームワーク・役割分担
●まず、全体を見ること
目の前の子を見ながら、全体の動きを観る
<子どもへの視点>
・手伝いが必要な子は?
・どこまでできるのか?全部やってあげた方がいいか?
・できるのを応援するかかわりとは?
・今の場合は・・・? 状況によって見極める
<チームワークの視点>
・子どもとの関係性(やりとりの途中では?)
・進行状況の共有~声を掛け合って、確認
・場の意図~空気を感じ、動く
~それらを踏まえて
☆空気を感じる
「今、何をする時間なのか?」見極める
☆必要な行動を考える
「どうなるのが理想の状態なのか」を
「それをするために、なに(準備・配慮)が必要なのか」
~という視点を頭の片隅に
☆子どもの感情・状況を受け止め、フォローする
主役である子どもの様々な気持ちに、どう寄り添うか?
~を考えて臨機応変に動くこと!
<考えてみよう!>
① 食事介助
② 排泄
4.ワークで「動ける」感覚をつかむ
●「動ける」ゾウ・ウサギ・サル
5.振り返り・まとめ
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<参加された方より感想の声を一部ご紹介します>
・「動ける」「動けない」とはどういうことか分かって良かった。
・経験を踏まえて説明されたのが分かりやすくてよかったです。
・“動ける”とは。実際にどういうことなのかイメージしやすかった。
・保育士としての大切な部分をお聞きできました。自分一人の保育ではなくチームで動くのが保育者としてのプロであるのだと実感です。ありがとうございました。
・ワークや自分の考えを共有する機会があったことで自分の意見だけでなく他人のお話も聞けて勉強になった。
・子どもとの関係、厳しい保育士との関係、ゲームが印象に残りました。
・言わなければ分からないこと、考えすぎて遠慮して声かけないのは良くないことが分かりました。
・先生と子供の関係性にどう対応していくかという部分はとても勉強になった。先生達もマネージャー・リーダーという風に役割分担しながらまわしている様で、一人一人気を配る、空気を読むことの大切さを改めて知りました。
・コワイ実力ある先生の心のうちを知り「なるほど~」と思いました。苦労されている若い先生に今日のお話してみます。コトバの言いまわし方、大変勉強になりました。
・保育は基本の積み重ねと経験で培われるというのが印象的でした。
・自分なりに「動けていた」ことは実はそうではなかったことに気付きました。
・私のしてきた事はムダではなかった…。私も動けていたと分かった。
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ふだんの行動を振り返り、
さらに良くなるためにどうすればよいか?
立ち止まることで見えてくることがあります。
今回の講座が「動ける」魅力的な保育へとつながることを
心より願っております!