整理収納教育士の皆様へ向けて、
「子どもスイッチ!コーチング」
~子どもの意欲を引出すかかわりかた~
・・・を開催いたしました。
子どもと一緒に生活をしていると、
「もう~!!」
「なんで、また出しちゃったの?」
「いつになったら片づけるの?!」
~と、イライラしてしまうこともあるのではないでしょうか。
整理整頓・片付け---という文脈で行くと、
私自身は児童養護施設の保育士をしていた最初の頃
よく、キーっ!となっていました。
でもまぁ、子どもは言われたからと言って
すぐに片づけるわけではありません。
いやいや、しぶしぶ悪態をつきながら部屋を去っていくよりは
もっと楽しく---なるべくなら、自分自身の力で
「できた!」と思えて、
自信をつけて見せに来るような
そんなかかわり方はできないのかな?
そんな風に考えて、あれこれ試行錯誤していました。
洋服のたたみ方も、たんすへの仕舞い方も
上履きの洗い方も、
やっていく中で「おっ!」と思える促し方を見つけました。
整理収納教育士とは、
片づけにまつわる様々な理論や知識を学ぶ中で
生活~人生をよりよく生きるための
スキルを身に着けた方たちです。
そういった皆様の中で、
特に子どもに特化した分野で
家庭の支援をしたいと考えているみなさまへ向けて
これまでも講座として行っていた
「子どもスイッチ!コーチング」に
自立や片づけの要素を加え、少しアレンジして
実際に私も体験した失敗例やありがちな事例を交えて
今回の講座を行いました。
以下、レジュメ・
参加者の感想を一部ご紹介します。
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1.生活の中でのさまざまな場面
子どもとの食事・遊び・排泄・睡眠・・・日常の中での様々な場面
~今回は「片付けの意欲を引き出すこと」に焦点を当てる
生活の中での片付けの場面
・着脱後の服の片付け
・引き出しの中の整理
・おもちゃの片づけ
・洋服の出し入れ
・食器の片づけ
・部屋の片づけ
―――さまざまな場面がある
●子どもにとっての自立とは
十分な依存によって
基本的信頼感・安心感を味わった後に
心身の自律(排泄・衣食住・感情のコントロールなど)を経て
人との関係性を築きながら
自分のことが自分でできるようになること。
~達成感・自信につながっていく
●自分のことが自分でできるようになるための道のり
・やり方を知る
・理解する
・繰り返し行う
・習慣として身に付く
●大人の側の葛藤
・なるべく早く成長してほしい
~子どもの成長段階を踏まえたかかわり
・子どもの個性
~ペースは人それぞれ
・大人の求めるレベルを押しつけてしまう
~ 大人の自己満足の可能性も?!
―――――大切なのは、
かかわる大人が、そこに自覚的であること
「やらせる」のではなく、
子どもが本来持っている力を発揮して行くために、
どうかかわるか?
~「どんな存在だと捉えるか」によって、
立ち現れてくる姿も変わる
2.コーチングとは
<デモコーチング>
☆パターン1
☆パターン2
~2つのちがい・気が付いたこと
●コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を目的達成へと
導くことを指す。大前提は、「相手の中に、答えがある」
~CTI JAPANより~
質問・承認・観察・フィードバックなどを通じて、
内側にある可能性を呼び起こす。
⇒保育で子どもにかかわる時の視点と近い
●指導・ティーチング
方法を教えることが主流
(衣服の着脱・食器の片づけ・物の貸し借り・技術など)
●模 倣
仕草や後姿など、真似る中で、行動を獲得していく
(あいさつ・言葉づかい・技術・空気感など)
● コ ー チ ン グ
「教わったもの」や「自分の中にある答え」を引き出し、
行動学習とつなげていく
3.ベースとなる3つのコーチングアプローチ
① 質問
視点が転換する
・気持ちを引き出す質問 「どんな気持ち?」
・どうなりたいかを引き出す質問「どうなりたい?」
・行動を後押しする質問~「次は何をする?」「どうやって?」
【考えてみましょう!】
子どもにどんな大人になってほしいですか?
②承 認
相手のいいところ(できていること)を伝えることで
信頼感・安心感が生まれ、勇気につながる。
③ 観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・
表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。
4.可能性を信じる~子どもを見るまなざし
~今見ている子どもの中に、可能性が眠っているとしたら?
「○○が得意なのは、才能があるんじゃないか?!」
今すでに見えている片りんもあれば、
これから立ち現れてくるであろう可能性の片りんも・・・
「この子(人)にはどんな可能性があるだろう?」
~今・未来を行ったり来たりしながら観る。
可能性を信じてくれる人の存在は、勇気づけになる。
⇒心を開き、一歩踏み出すきっかけに。
子どもの無限の可能性を信じて寄り添う存在に!
5.感情との付き合い方
子どもとのやり取りの中で、難しいのが自己管理。
イライラしてしまう場面、持て余してしまう感情
~受け止める、味わう
6.まとめ
今回紹介したのは、コーチングのほんの一部。
コーチングには実践が重要であり、実践を重ねることで
次のステップへ進むことができる。
まずは小さな一歩に取り組んでいくこと!
ロールプレイや実例を挙げた実践練習の場も、今後 予定中。
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<参加者の感想>
・気持ちは言葉かけ一つ一つで変わっていくことが
良くわかり、スッキリしました。
・「人はかかわりを選ぶことができる。
意識的にかかわるのがコーチングである」
~という言葉が一番心に残っています。
自分の意識によって、かかわりを変えることで
その後の人との関係や物事の運び方・すべてが変わるのだから、
とても大事なことだと認識しました。
・承認することで、子どもたちに限らず
受け止めてくれる・自分を見てくれているという
喜びにつながるのを日々の生活でも感じることがあるので、
共感できました。
・時間があっという間でしたが、とても有意義でした。
再度大切なことを認識する上で、コーチングの重要性を感じています。
さっそく帰ってから実践してみたいと思います。
・短い時間でしたが、コーチングの基本を学ぶことができ、
有意義でした。
でもコーチングの親子のやり取りがとても上手でした。
・大人側が自分の気持ちや感情を冷静に見ることが大切。
コーチング(特に母親と子ども)の様々な事例を見たいと思いました。
・保育現場での事例など、とてもよくわかりました。
・「毎日のイライラは、子どもが見ている」
という言葉が残りました。
・コーチングを実践する場面が増えていきますが、
新たにインプットさせていただきました。
現場でどんどん活かし、笑顔を増やしていけたらと思います。
・自分の感情を味わうということろ、
ふたをするのではなく、「味わう」。
なるほど・・・!
・あらためて学ぶと自分の自信にもなり、確信にもなり
とても有意義な時間でした。
皆様のお役に立てていただければ幸いです!