1月9日18:00~21:00にて、
保育士コミュニケーション講座
「子どもスイッチ!コーチング」を開催しました。
当日は主任保育士・中堅保育士・
スポーツコーチ・子育て支援施設の方など、
子どもと向き合う中で葛藤を感じながらも
より良いかかわりを模索し続けている皆さんと共に
・何度も同じ失敗を繰り返す時、
振り返り→学び→成功体験につなげるためには?
・やる気はないけど、やるべきことがある時には?
・やりたいこととできることの間で
もどかしい思いをしている時、
どうかかわり、ギャップを埋めたらいいのか?
・気持ちが崩れた時、どうかかわると立て直せるのか?
・個を大事にしたいけれども、
限られた人員の中で、どうしていったらいいのか?
・思いにどうかかわり、引き出していくには
どうしたらいいのか?
・相手にその気がない時、どうしていくのか?
~といった、保育の現場でよくある事例を元に
環境としての保育者の影響力・
コーチングの仕組みなどを踏まえて
いくつかの角度から
ワークを取り入れて実践するひとときとなりました。
つい膠着し、綱引きになってしまう場面も
客観的に観察して
中で起こっていることを見ることによって、心が動く。
その瞬間を子ども役になって体験することも
新鮮な驚きがあったようです。
おそらく、一番の課題は大人の側の自己管理。
想いが強ければこそでもあるのですが、私たちは
「自分のゴール」を
子どもに見せようとしてしまいがちです。
一緒に笑顔の未来を創れるよう、
子どもの目線に寄り添うためにも
私たちの心の管理が問われますね。
「一緒に喜ぶ」瞬間を重ねて、
子どもがチャレンジしたくなる意欲を育んでいきたいですね。
以下、レジュメから内容を一部、ご紹介します。
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1.保育の中でのさまざまな場面
保護者・同僚・子ども・・・保育の中での様々な関係性
~今回は「子どもとのやり取り」に焦点を当てる
子どもとのやり取り
・受け入れ
・生活の場面
・遊びの場面
・友達とのやり取り
・心の葛藤
●指導・ティーチング
方法を教えることが主流
(衣服の着脱・食器の片づけ・物の貸し借り・技術など)
●模 倣
仕草や後姿など、真似る中で、行動を獲得していく
(あいさつ・言葉づかい・技術・空気感など)
● コ ー チ ン グ
自分の中にある答えを引し、行動学習とつなげていく。
【 コーチングを生かしてみたい場面は?】
2.環境としての保育者 ~ともに創るということ~
20年後・30年後・40年後の社会を導く子どもたちに、
今どうかかわるか?
~「相手をどう見るか」によって、
立ち現れてくる姿も変わる
●本来、子どもが持っているあふれる可能性
~大切なのはその周りにある「環境」
●生まれ持った家庭背景・地域性・
家族との関係性・先生や友達との関係性・・・
~その質感は?
さまざまな要因との相互作用によって
子どもに現れてくる“姿”が変わってくる。
★大切なのは、かかわる大人が、そこに自覚的であること
Q.どんな願いを持っているのか?
Q.どんな子どもの姿を見たいと願っているのか?
Q.それは、かかわる側のエゴではないのか?
Q.本来持つ可能性がより良く生きるためには、
どういったかかわりが良いのか?
*私たち自身も常に問い続け、
かかわり方を試行錯誤していくこと
~大人の自己管理や透明な在り方が日々試されている~
3.コーチングとは
<デモコーチング>
☆パターン1
☆パターン2
~2つのちがい・気が付いたこと
●コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を目的達成へと
導くことを指す。大前提は、「相手の中に、答えがある」
質問・承認・観察・フィードバックなどを通じて、
内側にある可能性を呼び起こす。
⇒保育で子どもにかかわる時の視点と近い
① 質問
視点が転換する
・気持ちを引き出す質問
・どうなりたいかを引き出す質問
・行動を起こさせる質問~アクション
② 承認
相手のいいところ(できていること)を伝えることで
信頼感・安心感が生まれ、勇気につながる。
③ 観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。
【コーチングセッション】
身近なケースで子ども役・保育士役に分かれて
1. 設定共有
2. コーチングセッション
3. 振り返り(子ども役の気持ちを聞く)
4.可能性を信じる
今、見ている子どもの中に、可能性があるとしたら?
「○○が得意なのは、才能があるんじゃないか?!」
今すでに見えている片りんもあれば、
これから立ち現れてくるであろう可能性の片りんも・・・
「この子(人)にはどんな可能性があるだろう?」
~今・未来を行ったり来たりしながら観る。
可能性を信じてくれる人の存在は、勇気づけになる。
⇒心を開き、一歩踏み出すきっかけに。
子どもの無限の可能性を信じて寄り添う存在に!
5.リクエスト
アイディアとして提案するが、決めるのは本人。
自分が決めたことの結果は本人が引き受ける。
答えを尊重して、その結果を一緒に見守ってみましょう。
出した答えを踏まえてお互いにその後の行動を考え、
“共に創る”結果につながり、子どもの満足感も高まる。
【ワーク】
ある子どもの可能性を10個上げてみる
A:可能性について、熱く語る
B:その様子を観察・フィードバックする
6.感情との付き合い方
イライラしてしまう場面、
持て余してしまう感情で立ち止まり、味わう
7.まとめ
今日学んだこと、
明日からチャレンジしていきたいことについて
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<参加者の声を一部 ご紹介します>
・保育の中のありがちな場面を1つひとつ例を挙げて頂いて、
自分もその場面を思い浮かべながらお話を聞けたので
とても分かりやすく、吸収しやすかったです。
・子どもの気持ちに寄り添い承認することの大切さを感じました。
・経験を交えてお話下さり、とても共感できる部分があり、
話に入っていきやすかったです。
・自分の子どもへの目線のネガティブさをポジティブに
承認の大切さを実感して、了承してもらって母としてもうるうるきました!
・コーチングを子どもに特化して学べる事が
とても分かりやすく具体的にイメージできた。
・自分が子どもの仮になる事で子どもの気持ちを感じる事が出来ました。
ワークは学ぶことが多いです。
・気になる子の良い所を10個あげてみると
その子に対する思いが大きく変わった。
より大好きになった。
・実際に事例を紹介しやってみることによって
子どもの気持ち、大人の思いをより理解できた。
・コーチングについて整理ができた。
特にリクエストについては明日から行っていきたい。
・子供達一人ひとりの可能性はとても信じていても、
そこを上手く引き出してあげる言葉が出てこず、
もどかしい思いをした日々あります。
その言葉を引き出すヒントをたくさん得ることが出来ました。
・できた時に、ほめる時間をしっかりとっていたか、
自分に問う瞬間がありました。
・子どもの気持ちを受け止めると思っていても、
実際出来ていないんだなぁと今日の講座を受けて感じました。
・ワークをやって、実際に子ども側の気持ちに立ってみて
“あぁ、こんな気持ちだったんだ”
ということに気づくことが出来ました。
・「あれが出来ていないな」「こうして欲しいな」
という保護者の思いを優先しがちだったが。
子どもはどうしたいの?という子どもの気持ちに気付くことが大切ですね。
・自分のかかわりを見直すことができた。
そして明日への活力を得られたことがとてもよかった。
・子どもの感情にアクセスしていく事。
子どもを見て感情を言葉にして伝えていく事が大切ですね。
・保育の時につい感情的になってしまう事があり
どうすれば良いのかと思っていたので疑問が解けてよかった。
・保育の現場と、スポーツの現場の類似性と
子供は未就学でも小学生でも同じと感じた。
・子どものかたくなさはわかってくれなさである。
自分の気持ちを理解できないが誰より本人が知っている。
・子どもの可能性は無限大だと学びました。
・子どもと一緒にニコニコを目指す!という環境を作っていきたいです。
・かかわりの中でイライラしてしまうことがあったら、
一度リセットしてまた子どもに寄り添ってみようと思いいます。
・良いところを見つけ、
子どもの気持ちに寄り添う保育をしていきたいと思います。
・メガネは、はずして保育します。
なお、今回の子どもスイッチ!コーチングは
DVDの編集終了後、購入も可能です。