あさか保育人材養成学校 保育業界研究セミナーにて
「児童養護施設のお話」をしてきました。
思い出して、当時のアルバムを引っ張り出しては
あの子たちの可愛さにキュンキュンしながらの、資料作成。
(この間会った、高校生になった姿と照らし合わせて感慨にふけりつつ・・・。)
思いがありすぎるだけに、言葉に上手に込めることが出来たか?
どう伝わったのか、心配ではありましたが・・・
みなさん真剣なまなざしで参加して下さり、
それぞれの心の中に 新たな風景の火を灯したようです。
当日の流れは、このような形でした。
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1.当時の様子
(保育士資格取得の授業にのっとった形であてはめて)
在園児
入所経路
理由
保護者への面会
引き取り
学校・関係機関
進路進学
就職・自立
職員の勤務状況
2.関係性
子どもとの関係性
保護者との関係性
職員との関係性・チームワーク
3.児童養護の魅力
●幸せを感じる瞬間
~ 日常生活の中の宝物・お盆・お正月のスキンシップ
●子どもの特徴
~ 愛着関係・試し行動・境界線・・・手のかかる子ほど、愛おしい!
●感じたこと
~ 子どもたちが人生を受け入れて、生きていくために 何が必要か?
・・・児童養護施設は、背景を踏まえて、前向きな人生を生きるための場所
●葛藤
~ 子どもには罪はないのに、なぜ? 保護者も葛藤している。
・・・子どもたちが“人生の課題”を全うするためのサポートをするのが、
プロとして子どもに寄り添う使命
●衝撃的だったこと ・ 使命感
4.人生は続いていく
これからを作る人たちのために、何が出来るか?
それぞれの場所でできる関わりをし、子どもに輝く背中を見せること!
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プログラムを組んでみたものの、
参加者のみなさんに語りかけるうちに
いろんなお話をしていました(笑)
参加者よりいただいた感想を一部、ご紹介します。
<感 想>
・保育士資格取得のための勉強中ですが、「児童養護施設」という単語だけではなく
保育に関わる生の大切なお話が聞けて良かった。
・一時間という限られた時間の中で、エピソードなどを織り交ぜながら
様々な観点からお話を伺えたと思います。
・お話にスピード感があり、自分がその場にいるように感じました。
・入所経路が様々で、問題を抱えている子どもや施設内の状況を知ることが出来、
児童養護施設が身近に感じました。
・対児童だけではなく、職員の方々の関係性などに目を向けた内容が
児童養護施設を知るうえでとても参考になりました。
・試し行動やそれに向き合うことの大切さ・チームワークがとても大切であること、
先生が子どもに深い愛情を持って接していたことが伝わってきました。
・子どもを預けている親御さんも葛藤していて、育ちの連鎖があること。
世の中にはいろんな方がいることを知りました。
・いろいろな家庭環境の中で生まれた子どもたちがいるということ。
人とかかわっていくことでどう変化していくか、考えるきっかけになりました。
・人生に寄り添うことが大切であるということ、
客観性が大事であるということを感じました。
・実際に働かれてた現場側から見る子どもへのまなざしが、特別感ではなく、
個々の人生を支える当たり前の日々を知れてよかった。
どこにまかれた種も、次に成長するための作業を一つ一つ重ねるんですね。
・実際の子どもたちとのかかわり合いや、先生の気持ちもうかがえて、
共感を持って聞くことが出来た。
・子どもたちは職員の関係性を見ている。
子どもにとってのロールモデル、いろんな大人の姿を見せるということが
本当にそうだなぁと思いました。
子どもたちに関わる考え方の上で、意識していきたいです。
・今も会いに行って気に掛けている、というお話が聞けて良かった。
・メディアだけでしか知らなかったのでリアルに聴けて良かった。
イメージとは違っていました。
施設とはいうけれど、本当に親子のように家庭的なんだ、と思いました。
・児童養護施設について、マイナスイメージだったのですが、
とてもやりがいを感じることのできる、
人の人生を変えることのできる素晴らしいお仕事なのだと感じました。
・子どもにとって親がどういう存在であるかと、その影響の大きさを感じました。
・子どもたちが大人になることを楽しみになるような、
大人の姿を見せることが本当に大切だと感じました。
・松原さんが経験を経て、前の段階のサポートをしたいと思うようになった
というお話しに共感しました。
国とか大きな組織に頼るだけでなく、市民レベルなど社会全体による
親・保護者のサポートがもっと充実して、
良い環境で子どもたちが過ごしていける世の中になったらいいなと思いました。
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日々、児童養護の職員として子どもと向き合うことは、大切な仕事。
~という思いと、
子どもにとっては、大人が人生の柱。
親の状態として、“怪我した後の手当て”ではなく、“そうなる前の予防”として
たくさんいるであろう前段階の人たちをケアしたい。
親が周囲の諸状況の渦に巻かれるほどに、子どもが悲しい思いをする。
子どもの幸せのためにも、親の地に足が付く支援がしたい---
・・・そんな思いから、
天職だと思っていた(当時は)児童養護の仕事を辞めて
「コーチング」に一縷の望みを託し、
事業と技術の違いも分からないのに
明日をも分からない個人事業主の世界に飛び込んだ私。
とはいえ、辞めた後もご飯を食べに行ったり。
クリスマス会で成長する子どもたちに会いに行ったり。
Yの個人ボランティアとして、一緒にご飯を作ったり 食べに行ったり
直人さんのWSにYを連れて行ったりしていました。
そんな中でも児童養護には本当に思いがあって、
個人事業主になって、なかなか陽の目を見ない日々に
あの子たちと過ごしたSWEETな時間を思い出しては、涙していたこともありました。
(まだ職場の近所に住んでいたため、元先輩とバッタリ会って思いが込み上げてきたことも。)
・・・じつはもう一回、愛児園に「職員として働きたいんですけど・・・!」
~と、勇気を出して行ったこともあります。
「あ、間に合ってるから。」
~って言われて終わりましたが☆
だからこそ、今があるんですが・・・。
(いまは認定こども園エクレス 保育園部の施設長として、
保護者・子どもの支援をさせていただけていますし、
たくさんの子どもや保護者を支援するカギとなる保育士さんを支援することで
子どもを包み込むネットワークを強化したいという願いがあり。
保育士コミュニケーション講座をしています)
今現在は、東日本大震災の影響などもあり、
10年前よりも40園ほど施設が増えて
(当時、550園ほどでしたが、現在は599あるようです。)
職員採用やボランティアをつねに募集している業界でもあります。
興味のある方は、ぜひ 社会福祉協議会の求人情報や、
気になる施設に直接お電話をするなどしてみてくださいね。
その前の第一歩として、
児童養護施設や子どもたちを応援するプログラムを行っている
NPOBridge For Smileに登録をしてみるのもおススメかもしれません。
児童養護施設のみなさんの頑張りや、子どもたちを応援するためなら
私はいつでもお話をしますので
メッセージなどで、気軽にお声掛けください。
みなさんの毎日が、報われますように。