こんにちは、松原です。
最近「園内研修」という言葉が検索キーワードで上がってきているため
その背景を考えていました。
いま、なぜ園内研修に注目が?
園内研修ーーーというと、
「具体的な中身」や「研修のやり方」に焦点が当たりがちですが、
それは何のために必要なのでしょうか?
背景としては、
これまでの「いい先生」像:先生主導から
子ども主体の保育への転換期の中で
現場では意識の高い先生と、
これまで通りの保育を進めようとする先生たちとの間で
温度差が生まれてきているところも少なくないのではないでしょうか。
指針が改定され、未来を生きる子どもたちのために
園内の保育の価値観を底上げしていきましょう。
質の高い保育へ向けて、研修を推進します!となりました。
外部でたくさんの学びの機会を得て帰ってきた時に
発生するのが・・・学んできた先生と、
これまで通りの保育を進めてきた先生との間に生じる温度差です。
やる気があればあるほどぶつかり、葛藤が起きる。
そこで「ペーシング」や「エッジ」といった概念を知っていると
無理に改革に踏み切らず、じっくりと取り組んでいくこともできますが
そうでない場合、次第にあきらめになってきてしまう現状もあるかもしれません。
そうならないためには、外部研修で学んできたことを
園内研修にて現場に還元していく仕組みが必要です。
ただ、外部研修で学んだことは
全てがすべて、自園に生きるとは限りません。
「なるほど!」とおもったエッセンスを生かして
園独自の進化を遂げていけばいいのです。
そのための、園内研修です。
園内研修を有効に機能させていくために
私が施設長をしていた頃、
園内研修をどう捉えていたか・・・というと、
●年度初めの個人目標
今年の理想の状態・現状・課題と感じていること・行きたい研修
について書いて、4月半ばごろに提出をしていただきます。
~それを踏まえて
●年間研修計画票
本人の希望する研修を尊重しつつも、
今年はこの役割やこういった成長を期待しているというものがあればそれを仕込み、
全職員それぞれが大切な役割を担うグランドデザインを意識して年間の予定表を作成します。
●個人面談(個別コーチング)
個人目標についての感じていることを受け止め、コーチングしながら
今の新しいクラスの様子について、フォローできそうなことがあるかどうかなど聞かせてもらいます。
その上で、今年 その方に期待していること(正規・非常勤・・・すべての職員への期待)を愛をこめて伝えます。
それを踏まえて、今年行ってもらう研修~目指す目標・園に貢献してもらいたいことをリクエストします。
そのための研修であり、園を良くしていくために力を貸してくださいね!と送り出します。
●外部研修
そんなわけで、園内での課題のヒントになるようなアンテナを立てて参加してもらい、
園外の社会情勢に視野を広げてきてもらう機会であり、
研修はご褒美。
思いっきり楽しんできてください!と送り出します。
(私が研修が大好きなので。自分自身が行きたい研修もたくさんありましたが、
園のために期待しているあなただから、たっぷり持ち帰ってきて下さいね!と。)
ただ、何気なく参加すると 帰ってきて「えっ?研修ですか・・・」
~ということになりがちなので、
研修に行く前にこっそりコーチングでセットアップしていました。
「明日の研修だけども、先生はどんなことを聞いてこようと思ってます?」
「わたしからのリクエストなんですが・・・○○という視点で持ち帰ってきてほしいんです。
そして、帰ってきたら園内研修で落とし込みよろしくお願いしますね。」
帰ってきたらーーー
「研修、どうでした?園に持ち帰れそうな気付きは?先生の心に響いたことは?」
~と、学びを惜しみなく落とし込むコーチング。
●園内研修
そういった流れを踏まえて、園内研修担当が「この日なら!」というのをスケジュールに落とし込み、設定するか
内容によっては主任と「全体共有?」「職員会議の方がいいですかね・・・。」と
職員会議の中の一部を報告シェアタイムで「20分ください!」と交渉してもらったりしていました。
本人から:
大まかな内容・感想・取りいれられそうなこと・
そうすると描けそうな未来について話してもらう
その他の職員から:
研修報告を聞いて感じた感想のシェア
感じたこと、取りいれられるとしたら、どんなことか?
そのためにどんなことが課題として在りそうか?
どうすれば乗り越えていけそうか?
~など、話してもらう(人数がいれば、2人組みなどでも)
*お金と時間は貴重だったので、
行った研修はあますところなく骨の髄まで今後の力に変えさせていただくのが鉄則でした。
↑「なんか私、ここのところ 四六時中 面談やっている気がするんですけど・・・?」
と主任に話したら、
「いいんです。どんどんやってください。職員のモチベーションが上がります。
もっと回数を増やしたいくらいです・・・!」
(当時は4・9・2月に全職員との面談をやっていました)
~といわれたこともありました(笑)
また、園全体の意識を大きく変換したい!
~といったときには
あらかじめ1年~2年~5年単位でのヴィジョンを描き
職員と園・子どもを取り巻く環境の状況を踏まえて
「そうなるためには、どんな変化が必要か?」
「どういう機会を作って、何に気づいて、どういう在り方になっていってもらえたらいいか?」
~といったことを計画的に年間で入れ込み、
大がかりな全職員参加のワールドカフェを4年がかりで実現したこともありました。
これは正職員と非常勤の意識の垣根を溶かし、
「みんなで子どものために」を実現していく大切な機会になりました。
* * * * *
いかがでしたでしょうか?
ちなみに園内ファシリテーター育成講座では、
それぞれの園の目標とする状態を思い描いていただき
そこへ向けての変化や改革の道筋を
参加者同士で一緒に考え、そこへ向けた園内ファシリテートの視点を
実践やワークを通じて5か月間で一緒に試行錯誤していく時間となります。
(今週末 実践の第1回目なのですが、今まさにレジュメを練り練りしております。)
よろしければ、ぜひ ご活用ください。
これからのみなさんの取り組みの中において
なにかお役に立てることがあれば、嬉しいです。
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