先日の「ICTとはたらき方~保育はたらき方カフェ」にご登壇くださった
土橋一智園長先生の「ハッピードリーム鶴間」へ、
12月の初めに参加者有志で見学にお邪魔させていただきました。

各地の保育者さんとお話をさせていただく中で、
「他園を見たいけれども、なかなか休んでまで見学に行く余裕がない。
  他園のことを知る機会が欲しい」
という声をちらほらいただいていたので、こちらにてご紹介をさせていただきたいと思います。

まずは 社会福祉法人 龍美 園の理念について、

理事長がアメリカで感じた
日本の子どもたちにとって必要なこととして

「人から与えられた価値観やルールではなく、
社会がどのように変化しても
 自らが自らの意思で考え
 必要なことを学びながら
 想像的に未来を創り出していける
そんな子どもたちを育てていきたい」

~という思いにのっとって

これらを育むための理念が現場に浸透し、
随所にちりばめられているというお話を

土橋先生からお話しいただきました。

まず、この時点で魅力的な背景や保育の在り方に
前のめりになる一同。

この後、実際に園内を見せていただく中で
他業種からの視点で“保育の当たり前”に立ち止まり、
意図を持って一つ一つの仕組みを構成できるよう
丁寧に施された環境がありました。

まずは気になっていた、ICTの活用について。

こちらが、土橋先生の月末の園長業務を画期的に減らしてたという仕組みで
(4時間→12秒へ)
パスモで投稿園・延長料金等の管理ができるものです。

「自分が過ごしたいと思える空間」を目指されているということで
車の模型が飾ってあったり(園長の趣味でしょう!と保護者が笑うとのこと)
入り口には、大人にとっても居心地の良い空間が広がっていました。

また、保育室へ進む入口には、
先生たち一人一人のお人柄に親しみと安心感を感じる
自己紹介カードも。

保育室へ進んでいくとーーー

 

子どもたちが自分で出し入れができ、
出しても「ここに戻すんだ」ということが分かるように
絵や写真などが貼ってある、保育者の細やかな環境への配慮に気が付きます。

 

そして、子どもたち一人一人の活動の様子が手に取るように保護者に伝わるような
保育の様子を共有する配慮たちも。

先生たちの愛と、変化をとらえる“プロとしてのまなざし”が伝わってきます!

 

●驚きポイント1:便座があたたかい・トイレットペーパーの位置

  

冬の便座・・・座るのを嫌がる子、たくさんいますよね。
座った瞬間にヒヤっ!と立ち上がっておしっこが飛んでしまったり・・・。
だからといって便座カバーをつけるとおしっこが着いてすぐに交換することになるという・・・。

あたたかい便座がいいのは、大人だけではありません。
ましてやトイレットトレーニング中なので
「冷たさ」で排泄が嫌になってしまう子もいることを思うと
こういうアプローチ、ありなのか!と深く納得でした。

また、壁についているトイレットペーパーが当たり前だと思い込んでいたのですが・・・
よくよく考えたら、あれって 子どもにとっては
ちょっと腰を浮かせて後ろを振り返り、うんしょ、と紙をちぎるという大仕事。

この位置が前にあったら・・・という理想的な位置にこんな便利なものがあるとは!!

土橋先生に感動を伝えると、
「だって、俺らだってこっちのほうがいいでしょ?」
おっしゃる通りです!!

●驚きポイント2:保護者のうるおいルーム

夏の暑い日・・・汗だくになりながら帰ってきた保護者が
子どもの前でちょっと気持ちを整えて、お化粧直しをして。
素敵な笑顔で迎えに現れる心のゆとりが持てたら・・・。

~ということで、こちらには化粧直しグッズが用意されています。

かつて、どこかで
「お化粧している暇があったら、早く迎えに来てください!」
~という声を聴いたような気がするのですが・・・

具体的にこうして場で示してくださっているというのはあたたかいですね。

結果的に子どもにやさしくなり、連携が取りやすくなりますね。
忙しい日々の中で心に潤いが生まれるのは、大切な子育て支援かもしれません。

* * * * *

当初は、ICTを活用した園内の取り組みを
見せていただこうと考えていましたが、
じつはICTも風通しの良い保育のための「見える化」・「効率化」の一部

それぞれの取り組みは、
園が大切にしていきたい【理念】を体現する形で考えられ、
現場に落とし込まれるなかで子どもたちによって息吹を得ていました。

ここでキーワードとなった「見える化」について
他にも気が付いたことをそれぞれの立ち位置からご紹介します。

<子ども>

 

 

~それぞれの活動がオブジェにもなり、
これをきっかけに嬉しそうに体験を
保護者と語り合う子どもたちの姿が見えるようでした。

<保護者>

子どもたちの活動の様子をこのような形で知ることが出来、
振り返って成長を見ることもできます。

早番・遅番の先生たちの顔が分かることで
安心して送迎に来ることが出来ますし、親しみを感じますね。

子どもたちが遊びに行く公園が紹介されていることで、
休日の子どもと過ごす選択肢にもなりそうです。

保育者>

連絡事項を共有するホワイトボード、
保育者として在りたい姿について
園内研修のワークや語り合いの場の中で
自分たちの中から出し合ったものを掲示してあることで
いつでも立ち返り、意識を新たにすることが出来ます。

~などなど。

入り口はICTではありましたが、
これらは園内の風通しの良さを体現する一つの切り口だったんですね。

「子どものため」が保育者のためにも保護者のためにもつながっていたり
「保護者のため」が結果的に保育者や子どものためにもつながっていたりと
見える化の取組が、それぞれにとって結果的に良い循環につながっていることを感じました。

土橋先生、職員のみなさま。
貴重な機会をどうもありがとうございました!

5月11日の保育はたらき方カフェでは、
土橋園長先生に こういった ICTを入り口にした
「見える化の取組」についてお話していただいた後、
参加者同士で気付きや身近な一歩について、語り合います。

せっかくの貴重な機会。
残りあとわずかではあります、ぜひご参加・お役立てください!

●お申し込みはこちらから

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