こんにちは、スタッフの山本です。

本日も松原の記事をご紹介します。

 

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(2014年12月27日の記事)

 

こんにちは、保育士コミュニケーション講座

講師の松原美里です。

今回は、

「教える」と「できる」の間の溝について、ご紹介をします。

 

●「教える」と「できる」の間の溝とは?

保育の中で子どもと一緒に過ごす日常習慣、

様々あるのではないでしょうか。

たとえば---

・かばんや服を仕舞う場所

・お友達との物の貸し借りのルール

・先生のお話を聞くときの、姿勢

・みんなで歌うお歌

・お当番制のルール

・紙芝居や手遊びをするときのルール

・手洗い

・外遊びの際のルール

・排泄の際の身仕度

・眠りにつくまでの時間の過ごし方

~などなど、

保育の中の時間の流れは

こうした子どもたちの習慣づけで成り立っています。

また子どもの成長によって、発達課題もそれぞれあります。

個別の状況を見極めた上で

「この子にはそろそろこれを身に着ける段階ではないか」

と保育士が感じた時に ゴールを再設定し、

関わり方を見直していくものでもあります。

 

できれば、教えたらすぐに覚えて

自分で出来る様になってほしい。

そうすれば---全体での活動を、

もっともっと有意義なものにすることができるのに。

 

そんな思いがある一方で、

なかなかそうはいかない現状に

もどかしさを感じる方も

いらっしゃるのではないでしょうか。

 

じつは、子どもが「できる」ようになるまでの道のりには、

いくつかの段階があります。

次から、見ていきましょう。

 

【教わる段階】

まだ、「これはこういうものだ」という認識がない時に

保育士や保護者がお話をして伝えるというもの。

子どもの認識を育てていくのが「子どもが教わる」段階です。

この時、子どもは新しい認識を吸収しています。

そして、次に来るのが“認識を持った状態”です。

 

【認識を持った状態】

何度か

「今はこういう時間だよ」

「これはこうするものだよ」

「これはしてはいけないよ、こうしようね」

~と繰り返し伝えていく中で、

次第に子どもの中の認識が芽生えてきます。

理解はできており、

お話しされると納得することもできる。

とはいえ、頭で分かっていても

実際にすぐにできるようにはならないのが、

難しいところ。

何度か、同じことを

繰り返してしまうかもしれません。

では、できるようになるのはいつなのでしょうか?

 

それには、次の“自発的な行動につながるまでの道のり”

参考にしてもらうと分かりやすいでしょう。

 

【自発的な行動につながるまでの道のり】

じつは、子どもが自発的に行動ができるまでの道のりには、

このような段階があります。

 

1.理解する

2.無意識にやってしまう

3.気が付く

4.意識的に行う

5.習慣が付く

 

こうして考えてみると、五段階もありますね。

長い道のりだと感じましたか?

 

~しかし、よくよく振り返ると

これは大人も一緒なのではないでしょうか?

 

たとえば、

消費税率が5%から8%に変更になった時

頭では分かっていても、つい

5%の計算で金額をイメージしてしまったことはありませんでしたか?

 

私はありました。

そして「あ、8%か!」と小銭を準備し直す・・・といったことが。

そういったことを繰り返す中で、

レジを前にして

「そうそう、8%になったんだった」と認識が定着して

自然と8%計算でお金の準備が出来る様になります。

 

大人も子どもも、

できるようになるまでの道のりは、一緒。

ただ、大人と子どものちがいは、

子どもは成長段階が初期であり、

まっさらな段階からのスタートだということです。

習慣づけをしていくためには、

根気強いかかわりが大切です。

 

ただ「ずっと教えていけばいいのか」

というと、そうではありません。

教え続けるだけでは子どもは

「言われなければやらない」子になってしまいますし、

「大人がやってしまった方が早い」と手を出してしまう

“やってくれるのを待つ”だけの、意欲の見られない

“受け身”な子どもになってしまいます。

それでは、スムーズな保育とは程遠い状態ですね。

 

できれば、子どもが自分で気が付いて行動をし、

出来ることをどんどん自分で行う状態。

クラスとしてメリハリがあり、

一緒にさまざまな体験を通じて成長していける状態を

目指したいもの。

 

そのためにも、

子どもが今1~5のどの段階にいるのかを観察し、

見極めて

・言葉で教える

・子どもの意欲を促す

・どこまでできるのかを見守る

・どこで詰まっているのかを見極める

・どんなかかわりが適切なのかを判断する

・今後につながるサポートとしての

(出過ぎない)関わりをする

~といった、

保育のプロとしてのかかわりをしていく必要があるのです。

子どもは「教わる」「認識を持った」状態から、

認識が深まり、意識ができるようになることで

次第に「自分で意思判断・選択をして、行動ができる」状態になります。

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以上となります。

具体的なコーチングの実例を体験したい方、

松原美里への講演のご依頼は、

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