こんにちは、スタッフの山本です。
本日も松原の記事をご紹介します。
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(2015年12月20日記事)
12月12日に保育士コミュニケーション講座
「上司・先輩・後輩とのコミュニケーションをスムーズにする話し方」
~園内の役割を再認識し、調整する力~
を終了しました。
当日は、新人さん~園長先生まで様々な立ち位置の方が参加され、
ワークを通じて園でのコミュニケーションを振り返り
客観的な視点からの気付きを多く持ち帰っていただく時間となりました。
以下、レジュメからご紹介します
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1.園内における「伝える」場面
子どもや保護者へのかかわりについての研修はあるが、
同僚・先輩・上司への伝え方について頭を悩ませることも・・・
●「伝える」場面
‐後輩指導・情報共有・報連相etc
●「伝わらない」ともどかしい思いを感じる場面
‐常識のちがい・立ち位置のちがい・視点のちがい
●どう伝えたらよいのかわからずに、もやもやする場面
‐先輩に対して・園長先生に対して・私的な指導etc
ex:保育の中で感じていること・積もり積もった不満・・・
勇気を振り絞って伝えたら、怒りを買ってお説教?!
~相手の事情や見えている世界がある。
言う人(自分の思いをぶつけた)
VS言われた人(言われたくないことを突然ぶつけられた)
言われた側は気持ちのやり場がなくり、不快な思いをする
⇒得たかった結果が得られない
~その後の人間関係に陰りも・・・
お互いに気持ち良く伝え合い、
改善に向けた行動につながるためにはどう伝えればいいのか?
「力を発揮し合い笑顔で保育のできる園」のために大切なのは、
お互いの立ち位置を知り、調整しながら協力体制を築くコミュニケーション!
Q:あなたが園内で「伝える」機会がある人・課題と感じていることは?
<ex>・理事長・学園長・市など、上司・指示をいただく相手
・年上・年下の同僚・部下
・異業種からの転職の方・他園を経験してきた方
・未来の後輩:中学生から大学生まで
・公園で会う方・他園の先生たちなど、地域・関係機関などの方
2.相手も自分も尊重する“アサーティブ”な伝え方
言いにくいことを伝える時・たまりにたまったことを伝えようとする時、
緊張してつい力んでしまう?!
~受け取る側に威圧感や感じの悪さが伝わり険悪な状況になることも…
●まずは、深呼吸!自分の状態をフラットにする
伝える側の気持ちや状態が大きく影響する。
まずは、自分自身を良い状態に!
●承認で相手の心をほどく
それぞれの立ち位置・背景の中で事情があり
みんな、ベストを尽くしている。
“理想の状態”に一緒に近づくため、
「承認」で相手を尊重する姿勢を!
・いいところ
・上手くいっているところ
・尊敬しているところを言葉で伝える
~を言葉で伝えていく。
EX:「いつも○○の姿勢から学ばせていただいております。」
●相手を尊重する言葉づかいが距離感を助ける
「自分の存在を尊重してもらいたい」という願い
伝えにくいことを伝える時は意識的に
丁寧な言葉づかいでリクエストを伝える
<相手が年上の場合>
「相手を尊重することができる礼儀の正しい人」として一目置かれる
<年下の場合・なれあいの関係性の場合>
丁寧な言葉づかいによって、一定の距離感をもたらす
「○○していただけますか?」
「○○と感じているのですが、いかがでしょうか?」
「○○していただけませんか?」
~etc
●相手も自分も尊重する、アサーティブ
へりくだりすぎるのではなく、横柄になるのでもなく…
心の立ち位置は、対等に
へりくだりすぎると、軽く見られる
相手を見下したような態度は反発を招く
~思わぬ結果につながることも?!
<自分・相手をどういう存在と捉えているか?>
相手との関係性を創る上で重要なカギとなるのが、立ち位置
大切なのは、同じ人間同士として、
相手の存在を尊重するとともに自分の存在も尊重すること。
~どちらも大切な存在である。
●対話を重ねて「次の未来を創り出す」
こちらの言い分を伝えたら終わり?!
~伝えたら時から、未来への対話が始まる。
対話を重ねながら進めていきましょう。
「どうですか?」「いかがでしょうか?」
・・・相手の中で起こっていることに耳を傾け、
理想の状態へ向けてコーチングする
【ワーク】それぞれ2分ずつ、体験してみましょう!
話し手 保育の中で気になっていることについて、相手に話をする
1.過剰にへり下った口調で話す
2.強い口調で話す
3.相手も自分も対等な立ち位置で話す
~それぞれの後に、今後へ向けての対話を
聞き手 相手になりきり、それぞれのちがいを感じながら対話をする
1.相手の反応を受け、こちらも恐縮する・少し軽く見るなど流れで反応
2.ムッとする・カチンとくる・言い返す…など、流れに合わせた反応
3.相手の様子を受けて、生まれた自然な反応
★ワークの感想★
3.相手が攻撃を受けたと感じない“三方良し”な伝え方
<視点のちがいを受け入れる>
コーチング(人の力を引き出す対話術)の基本的な考え方
「誰一人間違っている人はいない」
~だれもが、その人の人生の中では事情があり、正論がある。
立ち止まって、相手の立場からの視点を知ること!
●園内はさまざまな人・立ち位置・視点がある。
全体が良くなるための協力体制と捉えることで
結果的に、自分・相手・周囲の人にとっても良い =“三方良し”の状態となる
自分の意見や思い・正しさをぶつけるのではなく
みんなにとって意味があることへ向けて、協力体制を築く方向で話をする
Q:改善したいこと・今の状態に不満を感じていることは何か?
≪図で描くと・・・≫
Q:全体にとっての理想の状態とは?
≪図で描くと・・・≫
Q:理想の状態の中で、
伝えたい相手にとって意味があることは何か?
Q:そのために、どう在ってほしいのか?どうしてほしいのか?
“提案”「~という形はどうですか?」
“相談”「~と考えているんですが、どう思いますか?」
“リクエスト”「~していただけませんか?」
~という形で伝える
<伝える内容を文章で書いてみましょう!>
4.伝わる話し方 4つのポイント
①姿勢や在り方
☆前のめりや姿勢が悪いのはNG
~声が通りにくくなるため聞き取りづらくなる
●背筋はスッと伸ばして、一本の木になったような安定感
●足の裏からは、しっかりと根が生えているようなイメージ
●在り方のポイントは、“自分とつながる”こと
~自分らしく、話をしたい相手に伝えたい内容を「表現」しましょう!
(子どもに絵本や手遊びをするときと、基本は一緒)
②意識の向け方
「緊張して、何を話しているのかわからなくなってしまう・・・。」
*意識は“自分”と“相手”どちらに向いている?
●自分に意識が向いていると・・・
「どう思われるんだろう?」「怒っているかな?」
「こんなこと言って怒鳴られたらどうしよう・・・。」
~自分の内側での対話で終始してしまう
⇒目の前の人は置いてけぼりに!
●相手に意識を向けましょう!
・相手はどんな表情でお話を聞いているでしょうか?
・話を聞いて、相手に何が起こっているのか?
・空気感を感じながら、話をする
⇒言葉を通じて相手との心の交流が起こる
③声の届け方
“声を届ける”意識を持つ
相手に受け取りにくい声より、聞き取りやすい声を!
●声が曲線を描いて相手に届くイメージ
●相手の心に言葉を届ける意識
~響きもやわらかくなり、やり取りがスムーズになる
④目線の配り方
相手の目を見るのは気恥ずかしい?
~「目は口ほどにモノを言う」
☆話をするときは、相手の目を見る。
●あなたの思いを、目で表現する
●視線で懸け橋を掛けるイメージ
●ときどき目線を上げて、参加者の様子を見ながら
●聞いている方に話し掛けるように
~話をしてみましょう。
大事なポイントは、愛コンタクトを!
5.様々な意見を受け入れ合う土壌づくり
現状を受け入れ、導きたい方向へと促す
●園のしきたり・暗黙の了解を否定せず、受け入れる
⇒ ペーシング
あいづち・うなづき・共感・相手に呼吸を合わせる
●目指す方向・意義を伝え、Let’sで導く
⇒ リーディング
相手にペーシングし、安心感が生まれたところで
本当に伝えたいこと・方向へと導く
●意見が異なる場合
⇒ Yes , And
相手の意見を受け止め、その上で・・・意見を重ねていく
(相手を否定しない)
【ワーク】アサーティブ・理想の状態・
伝え方・ペーシング等を踏まえて
①情報共有(役割設定)
②理想の状態へ向けての対話
③良かった点・さらに良くなるためのアドバイス
(フィードバック)
★ワークの感想★
6.ふりかえり・まとめ
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<参加者の感想を一部、ご紹介します。>
・ワークを交えながらの進行だったので、
レジュメの内容がよく分かった。
体験したことは理解が深まります。
・話し手、聞き手の3パターンは現場でやってみたいです。
・過剰に謙った言い方も良くないと分かって良かった。
(普段下の立場で謙って伝えることが多いので…)
・コミュニケーションについてはずっと悩んでいたので
どんな風に伝えていくと分かってもらえるかを実践でき、
客観的に見られたのはすごく勉強になりました。
・相手に伝えるときの立ち位置を対等にすると
伝わりやすいことが分かりやすかった。
・自分のかかわりを振り返って、今出来ていること、
これから実践していきたいことがわかり、やる事が明確になった。
・3年目の方と主任さんとディスカッションが出来て
とても楽しかったです。
・得たい結果にフォーカス!!の一言。
理想図を描く中で改善策が見えてくることに気づきました。
・ぺーシング、リーディング、エッジの理論が分かり
エッジは当たり前のことだととらえ
相手の視点に立ちまず尊敬することからはじめていきたい。
・保育という仕事は、人と人との関わりが大切なのだと、
改めて実感しました。
大人同士の円滑なコミュニケーションにより、
子どもたちも安心して生活できるかと思います。
・相手の良いところを見つけてほめることをします。
同僚に対して一日一つは伝えたいです。
・言動に対する目的意識をもっと明確にする。
・否定的になっている職員の事情を聞く。
面談は参考にしたい!!です。
・まずは、相手を理解して 同じ立場で
気持ちよくやっていきたい気持ちを伝えられたらと思います。
・相手を尊重し自分も尊重していく“アサーティブ”な考え方が印象的でした。
気になる部分から話してしまうことが多かったので
上手くいっている所、良い所を先に進めてから伝えるようにしたい。
・今の自分にとって必要な講座でした。
視点を変えて取り組んで見ます。