いただいた質問にお答えします♪

 Q:保育所保育士指針の改定にあたり、
 園外の研修をみんなで受け、園内研修で園に持ち帰ることを考えています。

 時間は一回の研修が約1時間しかないので、1か月後にもう一回と考えています。

 どの様に進めて行ったらよいものでしょうか。悩んでいます。

園内研修…というのは、保育園や幼稚園・子ども園などの
「園内」で学びを深める機会であり、
大きく分けると2種類あります。

1つめは、
外部で受けてきた研修を園内に持ち帰り、
受講していない職員に研修の内容を共有するというもの。

2つ目は、外部の講師を園内に招いたり、
ある課題に焦点を当てる中で園全体で学びの機会を持ち、
職員全体のスキルアップを図るというもの。

いずれも、「誰かが」といった少人数の学びではなく
全体の底上げを目的としている点が共通していますね。

 

 

 

 

 

 

質の高い保育を行う職員集団であるために
職員の外部研修は必須とされており、
園内研修の実績もチェックされることになっていますが
(きっと今年の監査では、
この学びの部分が特にクローズアップされるのではないでしょうか)

~とはいえ、現実には
「どうすればいいの?」とよくわからないままに
参加した人が発表する時間を設けて、
他の人は勤務の調整を付けて参加しながら
「聞く」だけにとどまるところが多いのではないでしょうか。

ここで、園内研修で園を底上げする研修の生かし方として
押さえておきたいいポイントを3つご紹介します。

<外部に受講しに行く職員へ向けて>

【1.何のために?】

この研修を、どう生かすかという目的意識を持てるよう、
園内で課題設定をお話しておくといいでしょう。

EX :
「うちの園、いま子どもたちがわさわさしている状態なので。
環境構成の仕方に何かヒントがあるかもしれないので、
子どもたちが自分の活動に集中・没頭できる工夫について
いい話があったら聞いてきてもらえますか?」

~研修の最後に目的とする理想の状態が見えることで、
学びへのモチベーションが上がる

【2.何を学んだか?】

研修に参加して、学びになった点はなんだったか?
~お手本になったこと・
園内に新しい気付きをもたらすきっかけとなること・
「これはお勧めできない」と感じる反面教師となること……

さまざまあるのではないでしょうか。

一つでも学びを持ち帰ることができるよう、
お互いに「どうでしたか?」
「どんなところが学びになりました?」と
声を掛け合うようにするといいでしょう。

 【3.園内でのシェア】

子どもが午睡をしている間に集まれる職員で
園内研修という位置づけで学びを話してもらう場を作る。

そこから一歩踏み込んで、
「話を聞いて、どんなことを感じましたか?
保育の現場を思い浮かべながら、
気が付いたこと・学びになったこと・疑問に感じられたことを
2人一組で話してみてください」

~と、学びを自分事にする
シェア(分かち合い)の時間を設けられるといいでしょう。

いきなり「何か質問はありますか?」と聞かれると
考えてしまって シーン となりがちですが、
少人数で話をすることで心と頭の整理になり、
落とし込みが浸透するとともに
「疑問を解決したい」という使命にも似た気持ちが湧いてきます。

シェア⇒「2人で話す中で、どんな声が出ていましたか?」
⇒何人かに話してもらう⇒質疑応答⇒ディスカッション

~といった流れが汲めると、活発な場になるでしょう。
<園内研修・外部講師>

【外部から全員で共有した学びを、自分事にするために】

外部から講師を呼ぶということは、
講師に園でお金を払うということです。

せっかく園内で足並みが揃う機会。

ただ聞いて参加した気になるのは勿体ありません。

研修の最後に10分でも振り返りの時間を設け、
二人一組で話し手・聞き手に分かれて
2分ずつお話をしてみてはいかがでしょうか。

内容としては、
「感想」「学んだこと」・「園に生かせそうなこと」について。

一人がお話をしたら、時間を測って

役割を交代するのがおすすめです!

それぞれをシートに記入し、回収してもいいですし、
声をまとめて今後の方針を固め、
会議などの時間を通じて
園内全体の見直しを行うきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

あなたの園で取り組んでいる園内研修の進め方や
アイディアなどありましたら、ぜひ聞かせてくださいね!