<いただいた質問にお答えしますシリーズ>
「職員間で情報交換をしたほうがいいのはわかっているんですが…
やるべくことが多くて、
話をする時間が取れないほど忙しいんです。時間が欲しい。」
~こういった声が、各地で研修を担当する中での
事前アンケートで多く聞かれます。
保育士さんは日々の記録やヒヤリハットなどの書くべき書類や
行事の担当や保護者対応など求められることが多く、
いつもやるべき仕事に追われてしまう感じがありますが……
逆に、情報交換をすることによって得られる
いいことというのがたくさんあります。
・根を詰めて仕事を進めると、だんだん効率が下がってくる。
いつの間にか「保育をすること」「記録を書くこと」
「掃除をすること」が目的になり
「何のために?」という大事な部分が見えなくなってくる。
→気分転換におしゃべりをしながら「最近こんなことがあって…。」と話すことで
話しながらその声を客観的に自分の脳が聞いており、
「そういえば、大切なことって〇〇だよなぁ~。
……と、本来の”子どものため”の質の高い保育への視点を取り戻すことができる
結果的に、ポイントを絞って 効率の良い仕事ができる視点を養える
(だから、全部やらなくちゃ!ではなく。)
・保育を進めて行く中でのちょっとした悩み事に気が取られて
もやもやしてしまうことはありませんか?
→話をする中で、他の人のアイディアを聞かせてもらったり、
もっといいやり方が見つかることがある。
話をすることで園内の一定の基準が見つかり、
保育や対応がやりやすくなることもある。
・「忙しい」という 負のスパイラルにはまってしまうことで
自分自身もいつも余裕のない気持ちなるという悪循環が起こってしまう。
→「余裕を作ろう!」と気持ちを切り替えることをきっかけに
「何ができるだろうか?」「今、大事なことは何か?」
……と意識セットを変えるきっかけになる
~というわけで、
忙しいからこそ 悪循環を好循環に変えていくためにも
少しずつ情報共有の時間を取ったほうがいいんですね。
では、これまであまり情報共有のための時間を取っていなかった人は
どんなことから始めて行ったらいいのでしょうか?
職場の中でも、まずはなるべく気持ちを分かち合えそうな方に
気になる保護者の対応や「おや?」と感じた子どもとのやり取りなど
「今日、こんなことがあったんですよ」
……と、今後の保育に役立ちそうな情報をお話してみる。
脱線してしまったり、思いがけず話が長くなってしまったら、
呼吸のタイミングで話を変えて、仕事に戻るのも一つの方法です。
「美味しいお店があるみたいなので、ご飯食べに行きませんか?」
「今度、お茶しませんか?」と誘ってみるのも良いでしょう。
まずは気軽に、ちょっとした時間から始めていく中で
「これって園全体で考えたほうがいいことでは?」
「じゃあ、次回の職員会議の議題に上げてみましょう」
~と、みんなの課題として主体的に取り組むきっかけにつながり、
保育の質が少しずつ高まっていきます。
元職員たちは、顔を合わせるとそこで立ちながらどんどん
気になっていた打ち合わせの内容を話し合っていたので
「あ、○曜日の打ち合わせ、しなくていいですね。」
~ということもありました。
「急がば、回れ」の情報共有。
ぜひ、自分から主体的に行ってみて下さいね。