(2015年9月記事)

こんにちは、保育士コミュニケーション講座

講師の松原美里です。

9月の保育士コミュニケーション講座は

「職員のアイディアを生かす会議の進め方」

~発言のハードルを下げ、意見を引き出す~

テーマにちなんで、今回は

「会議の自分ごとスイッチはどこにある?」

~というタイトルでお届けします。

「ふーん」

「そうなんだ・・・。」

「早く終わらないかな」

~そう感じてしまうこと、あるのではないでしょうか。

自分が一参加者だとして、

どんな時にそれを感じてしまうのか―――。

というと、

・出来事(完結していること)の報告として受け止めている

・聞くことで完結しており、
特に自分に何かを期待されているわけではない場

・自分とは遠いことで、関係がないように感じていること

…などが、そうなのではないでしょうか。

私はそういう場になると、急に睡魔に襲われます(笑)。

そうすると、急にモードが“受け身モード”になり、

提案者と発言者の間に距離が出来るように感じます。

受け身で参加するのか?

主体的に参加するか?

それによって、限られた時間であっても

得られる結果や密度が変わってきます。

そのためには、「自分ごとスイッチ」が入ること!

~なのではないでしょうか。

保育の現場は日々動いており、早番や遅番などで

自分のクラスの子どもだけではなく様々な子に関わるため

子どもに関わるうえでの

「ライン」を共有しておくことが大切です。

なかなか一堂に会する機会がないシフト制の勤務の中で

情報共有をし、共通認識が持てることが

現場での行動に直結します。

「事件は会議室で起こっているんじゃない。

現場で起こっているんだ!」

~という言葉は、まさに的をついた名言。

全員が子どもに関わり、営業の窓口であり、

広報として保護者や地域に姿を見せる一員であり、

さまざまな事態に対応する筋力を必要とする保育の現場においては

会議で報告がされたことは、

その後の現場を動かす指針になるのです。

そこに“受け身”で参加するのは、

お互いにとってもったいないことです。

人によって、捉え方がちがうこと。

これまでにあったトラブルの事例。

これから考え得ること。

想像もしていなかったこと。

~会議で発言者の話を聞きながらも、

様々なことが頭をよぎるのではないでしょうか。

そういったことの足並みをそろえるのが、

会議の大切な役割だと感じています。

では、「大切なこと」だということはわかっていても、

なぜ「自分ごとスイッチ」が入らないのでしょうか・・・?

【現状・理想の状態・課題を「みんな」に分かる言葉で】

会議で提案や報告をする際、

参加者を観察しながら話してみてください。

当事者としては事情や背景・

起こしてほしいアクションがあったとしても

他の参加者には見えていない“前提”があります。

もしも話をしたときに、

参加者の反応が鈍かったり

“受け身モード”になっていたとしたら・・・。

もしかすると---

「そのこと」と「自分」との接点が

感じられずにいるのかもしれません。

実りの多い時間にするためにも、

提案者と参加者の視点を一緒にしておくことが大切です。

事前に内容を整理する“たなおろし”をしておきましょう。

これは毎回、私も自分のコーナーを担当するときに

(施設長より、というところで毎月

防災のこと・園内のルールのこと・方針のことなどお話をしています)

事前に書き出して行っていることです。

内容としては、

【1.現状】

今自分に見えていること・気になっていること・上手くいっていること

【2.理想の状態】

何にも制約がないとしたら・・・といった視点で出てくる、良い状態

【3.課題】

理想の状態のために、気になっていること・ハードルとなっていること

~という3つの視点を、書き出すのです。

そこで出てきたことを言葉にして順を追って伝え、

参加者に起こしてほしいアクションへと導きましょう。

【主役は、参加者】

会議では、どちらかというと発言をする人よりも

参加をする人の方が主役なのではないかと

私は考えています。

≪参加者=主役が、どこまで腑に落ちるのか。≫

~それによって、

その後の保育の中での行動が変わってくるからです。

主役が理解し、

アクションを起こしやすくなるために

どのように場を構成すればいいのか。

そんな風に考えてみると、必然的に

・参加者同士でディスカッションをする

・意見を出し合い、園内での共通認識のすり合わせを行う

~といったプロセスが、

迷いのないアクションにつながるのではないでしょうか。

【参加者同士で出来るフォロー】

とはいえ、全員が議題を上げるわけではなく、

そういった機会に恵まれているとも限りません。

そんな中で、

「もどかしいけど、何もできない」

と感じている人もいるかもしれません。

そんな時は・・・こんなことから始めてみましょう!

・発言している人がいる時には、

笑顔で発言を受け止めましょう

~アイコンタクトによって、

「聞いていますよサイン」が伝わります。

・発言者に呼吸を合わせる。

~場の空気に一体感が生まれます。

・「あのー、これってこういうことですか?」

と、素朴な疑問やお話の内容をまとめ返して、確認する。

~さらに補足でお話をしてくれたり、

意図がうまく伝わっていなかったことが発覚し

さらなる情報をくれるかもしれません。

・良かったところ・現場に意味があると感じたことを

場に「感想なんですけど」と、言葉にして伝えてみる。

~誰かのアクションによって、場が動きます。

・以前 意見を聞いたことがある人・

何か言いたそうにしている人に

前向きな提案につながるよう、さりげなく話を振ってみる

~そこから園にとって意味のある対話が深まるかもしれません。

などなど、動きのある場にしていくために、

一参加者が出来るコトがじつはあるのです。

参加者と発言者の間をつなぐ“架け橋”になるイメージです。

あなたこそが、園内を円滑につなぐ

キーパーソンなのかもしれません。

発言者・参加者のいる会議の場を

「丸く包み込む」ようなイメージで、

スムーズなコミュニケーションが生まれる

サポートをしてみてくださいね。

講座の中では、そういった事例も

お話をしていきたいと思っています。

 

(文中記載の講座は開催終了しました)