こんにちは、松原です。
信頼され、子どものためにと
いい関係性を築いている保育者がほとんどですが、
時折「おや?」と感じる行動を耳にすることがあります。
「こんなこと、言わなくてもわかるでしょ!」
「ふつう、考えるよね。」
~と、言いたくなる気持ちも分かります。
ですが、その「ふつう」はどこから来るのでしょうか?
じつは「常識」というものは存在せず、
人それぞれの匙加減の中で「暗黙の了解」
となっていることが多いのではないでしょうか。
・・・私自身は、
先輩に叱っていただいたり
失敗から反省をし学ばせていただいたこともあったり。
部下に声掛けをして行動を改めてもらったこともありますし
「他でもいろんなことが起こっているんだなぁ」
と感じたこともありました。
今回は「保護者と信頼関係を築くために気を付けたい3つのNG」
~として、
1.保護者からの子どもの愚痴に、保育者が参加するのはNG
2.仕事の愚痴を保護者に話すのはNG
3.園の機密事項・内部事情を保護者に話すのはNG
そんなシビアなお話をしてみたいと思います。
保護者からの子どもの愚痴に、保育者が参加するのはNG
●保護者が子どもの愚痴を話したら、
先生が一緒になって盛り上がり、子どもの愚痴を言い始めてしまった
本当は「そんなことないですよ」と言ってほしかったのに…
~というケース。
確かに保育をしていると、
「もっとよくなってほしい」「成長してほしい」といった思いが強いからこそ
もどかしさを感じ、それが言葉になってしまうことはあるでしょう。
けれども、物事には陰と陽があります。
一見、残念な現象に見えることであっても
そこで力を貯めながらお友達の行動を見て学んでおり、
大きく変化をする手前にいることもあるのではないでしょうか。
マイナスの言葉を受けたら、
その反対側にあるプラスの捉え方で伝えていくといいですね。
これを心理学では「リフレーミング」といいます。
たとえば、
「なかなかトイレットトレーニングがうまく行かなくて
家の中でも失敗が続いていておしっこの掃除が大変です」
~とお話を受けたら、
「ですよね、園でも大変なんです~!」
と乗るのではなく…
お話をしてくださった”気持ち”だけを受け止めて、
保育の成長の視点を伝えていきましょう。
「もどかしい気持ちになってしまいますね。
とはいえ、〇〇くん 今日は1回トイレでおしっこができたんですよ。
これまでもサインは出ていたものの、
体と気持ちがなかなかかみ合わずにいたところが
少しずつ自分でも理解してトイレに行こうという気持ちになってきたようです。
成長してますので、一緒に見守っていきましょう」
~というように。
いつも記録に書いたり、保育者間で話しているように
子どもの成長と今後への道のりを
ポジティブに保護者に伝えて行けるようになるといいですね。
仕事の愚痴を保護者に話すのはNG
●保護者が「保育士も大変ですよね」と声を掛けたところ
「そうなんですよ、じつは持ち帰りの仕事も結構あって大変で…」
~と愚痴が始まってしまい、保護者が聞き役に。
そんなに大変な仕事の中で、
本当にわが子をきちんと見てくれているのか?
そんな話を聞いて先生の様子を見ていると
ボーっとしていることもあるような…
安心して預けていきたいのに、心配になってしまった…
~というケース。
保護者はいつも子どもを見てくれている保育者をねぎらう気持ちで
「大変ですね」と声を掛けてくれることがあるかもしれません。
あるいは、あまりにも疲れた顔をしているので
見るに見かねて声を掛けてくれたというケースもあるかもしれません。
ここで、友達同士という関係性であれば
「そうなんだよ、聞いて~!」
…と始まっても、何ら問題はありません。
問題なのは、相手が「保護者」であるということです。
保護者は「子どもを真ん中に置いた子育てのパートナー」。
保育者はプロであり、
『子ども』や『子育てに関するお話』をする間柄です。
園の機密事項・内部事情を保護者に話すのはNG
●保護者との会話の中で園にとっては秘密となる事例や人間関係・
内部情報を流し、保護者を味方につけて組織改革をしようとしている気配を感じ、
先生への信頼感が薄らぎ、
それよりも子どもをちゃんと見てほしいのに…
と不安を感じるようになってしまった
~というケースもあります。
たしかに、園内で働いているといろいろな思いもあるでしょうし
中には「おかしいな」と感じていること・
「もっとこうしていきたい」
と改革を志されることもあるでしょう。
けれどもそれは、「職員側」として園内で話し合い
ことを進めて行くべきことです。
保護者も共通の人間関係のようには見えますが、
職員=子どもを保育するプロフェッショナル側のチーム
保護者=子どもと一生涯かかわりながら育てていく側のチーム
~であり、園を通して重なる部分はあるものの
それぞれの役割は異なります。
保育のプロとしての一線はどこか?
人間なので、いろいろな思いもおありのことでしょう。
もしかすると、保護者が共感してくれるので
嬉しくなってどんどん話してしまったというケース…。
意図的に保護者を巻き込むことで
ムーブメントを起こそうという野心を持ったケースなど、
さまざまあります。
大切なのは、お互いの立ち位置をわきまえるということです。
職業人としてのご自身の思いや、改革などそういったことは
ご自身のお友達にアドバイスをもらったり
職場の先輩と相談をしながら改善をしていくことであり、
保護者に対して取る行動ではありません。
懐(ふところ)深く、
保育者を応援してくださっている保護者もいらっしゃいますが
あくまでも保護者は、
『子どもを真ん中に置いた子育てのパートナー』。
保育者はプロとしての一線を踏まえて
”どのような行動が適切なのか”
を意識していきたいですね。
こちらの記事を読んでいるあなたは
意識高く情報収集をされている方なので
そのようなことはしていらっしゃらないと思います。
もしも身近でそのような方を見かけたら、
そっと教えてあげてくださいね。
『せっかく素敵な保育をしていても、そういった行動から
あなた自身の品性が疑われますので、立ち止まり、
保育者としての立場をわきまえて
保護者への行動をお改めください』と。
それぞれが、子どもを真ん中に力を尽くしていけるような
素敵なパートナーシップを、心より応援しております。