(2016年3月記事)
こんにちは、保育・育児アドバイザーの松原美里です。
土曜日に3月の保育士コミュニケーション講座
「年度末・新年度へ向けて
頭の整理をするコーチングレッスン」
~コーチング力をつけ、抱えている業務を整理する~
・・・を、開催いたしました。
保育のいろいろな場面で役立つコーチングスキル。
今回は、年度末~次年度へ向けて
それぞれが感じていることひも解きつつ、
コーチング力をつけるワークセッションを行いました。
セッションの中で出てきた素朴な疑問を
みんなで振り返り、
もう一度チャレンジをする中で
「ああ!こういうことなのか・・・。」
と手ごたえを持ち帰る人もちらほら。
今回、みなさんから出てきた気づきは、
・表面的な話よりも、深く入る「本当のテーマ」を。
・相手の表情や目線が変化した時が、気付きのタイミング
・アドバイスではなく、相手が主役。
・情報を聞くのではなく、感情に耳を傾ける
・いい質問をしようとしない。感じたままを投げてみる
~などでした。
一同、
「う~ん」「質問って難しい・・・。」
とうなりながらも、
「楽しかった!」「もっと学びたい!」
といった声も聴かれました。
(こっそりCTIもおススメしてみました♪)
なんだかんだ、みなさんのテーマに上がっていたのは
“業務内容”というよりも
“揺れる思い”だったような気がします。
実務は期日と優先順位を考えながら進めていくとして、
お互いがお互いの心のフォローが出来る職場になると
気持ちが楽になり、仕事が楽しくなるのでしょうね。
<以下、レジュメから内容をご紹介します>
1. 年度末の振り返り
入園式・園外保育・夏まつり・運動会・クリスマス会・節分・ひなまつり・・・
~子どもたちと過ごした一年。
気持ちは次年度へ向かうが、振り返りには大切な意味がある。
●自分の歩いてきた道のりを受け入れるプロセス
EX:ふだんの保育・自分自身を客観的に見て今後につなげる、自己評価
●私たちは瞬間ごとに“選択”している
~何気ない選択の中には、価値観がある
大事な価値観がおそろかになっていると・・・心苦しい
価値観を大切にできていると・・・充実感
●チームとしての保育
~自分の努力と、チームとしての成果
●コーチングによって明確になる
~掘り下げ、具体的につなげる仕組み
・上手くいっていること・その理由・ポイント
・今後の課題・後回しになっていること
・次年度期待されていること
・チャレンジして行くこと
2.コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を目的達成へと
導くことを指す。大前提は、「相手の中に、答えがある」
質問・承認・観察・フィードバックなどを通じて、
内側にある可能性を呼び起こす。
⇒保育で子どもにかかわる時の視点と近い
<保育の中でコーチングが活用できる場面>
・保護者と一緒に未来を作っていく場面
・同僚と価値観をすり合わせる場面
・子どもといっしょに保育を広げる・気付きをふくらませる場面
・心の葛藤
・後輩・新人育成
●指導・ティーチング
方法を教えることが主流
(衣服の着脱・食器の片づけ・物の貸し借り・技術など)
●模 倣
仕草や後姿など、真似る中で、行動を獲得していく
(あいさつ・言葉づかい・技術・空気感など)
● コ ー チ ン グ
自分の中にある答えを引し、行動学習とつなげていく。
<コーチングの活用方法あれこれ>
・いつでもできる「セルフコーチング」
・人を通じて気付きを得る「相互コーチング」
・気付きを深めるフィードバック
~今回は「年度末・新年度へ向けた頭の整理」に焦点を当てる
3.コーチング7つの切り口
① ペーシング
~無意識の部分を相手に合わせることで、相手が安心して心を開く
・笑顔(あなたの存在を受け入れていますよ、のサイン)
・呼吸・言葉・場・仕草・声の大きさ/高さ・視線・ペース)
・あいづち・うなずき
(「あなたの話を聞いています」「理解しています」)
② 質問
~人は、問い掛けられることによって視点が転換する
・気持ちを引き出す質問
「言ってみて、どうですか?」 「どう感じましたか?」
・客観的な視点で出来事を捉えるための質問
「何が起こりましたか?」
・どうなりたいかを引き出す質問
「理想の状態は?」
・行動を起こさせる質問~アクション
「そのために何が出来ますか?」 「小さな一歩は?」
③ 観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察で感じたこと・サインを伝えることで
相手に気づき・変化が起こる。
☆コーチ役・クライアント役に分かれて、Let‘s Try!
クライアント役:書いた内容・書いてみて感じたことを話す
コーチ役:ペーシング・質問・観察フィードバックを意識しながら、
今年についてのクライアントの気付きを深め、
次年度へ向けた一歩に寄り添いましょう。
④ 承認 存在を認めること
・相手のいいところを伝えることで信頼感・安心感が生まれ、
勇気につながる。
・承認は、心の栄養になる。
心が温かくなるような承認の言葉かけを!
→自信が付き、モチベーションが高まる
⑤ リクエスト 本人に見えている枠を越えて、挑戦を促すこと
・アイディアとして提案するが、決めるのは本人。
・自分が決めたことの結果は本人が引き受ける。
答えを尊重して、その結果を一緒に見守る。
出した答えを踏まえてお互いにその後の行動を考え、
“共に創る”結果につながり、子どもの満足感も高まる。
☆コーチ役・クライアント役に分かれて、Let‘s Try!
クライアント役:書いた内容・書いてみて感じたことを話しましょう。
コーチ役:承認・リクエストを意識しながら、クライアントの思い描く次年度・
そこへ向けた一歩を引き出しましょう。
(ペーシング・質問・観察フィードバックももしできれば)
⑥ 可能性を信じる
~目の前に見えている人の中にある無限の可能性を見る
・今すでに見えている片りんもあれば、
これから立ち現れてくる可能性の片りんも
・ 「この人にはどんな可能性があるだろう?」
という視点で、今・未来を行き来しながら
・可能性を信じてくれる人の存在は、勇気づけになる。
⇒心を開き、一歩踏み出すきっかけに。
~相手の無限の可能性を信じて寄り添う存在に!
⑦感情を扱う 感情に焦点を当て、大切に扱う
・感情は気付きの入り口
・クライアント側の感情:共に
・コーチ側の感情:セッション中は気付いたら、横に置く
⑧自己管理 ~ 自分の状態が、相手に影響する自覚的であること ~
・自分の状態を良い状態に保つ
・フラットな状態でかかわる(主観・思い込み・期待などを手放す)
・好奇心を持ってかかわる
*コーチ自身も常に問い続け、かかわり方を試行錯誤していく
~透明な在り方が日々試されている~
☆コーチ役・クライアント役に分かれて、Let‘s Try!
クライアント役:書いた内容・書いてみて感じたことを話しましょう。
コーチ役:可能性を信じる・感情を扱う・自己管理を意識しながら
クライアントが実現して行きたい世界・そこへ向けた小さな一歩を引き出しましょう。
(ペーシング・質問・観察フィードバック・
承認・リクエストも、もしできれば)
<セッションの感想>
*セッションの振り返り*
Point:
4.まとめ
今日学んだこと、明日からチャレンジしていきたいことについて
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<以下、参加者の感想を一部ご紹介します>
・セッションを通して、今自分が何を感じ、
次年度に向かってどうしたら良いのかを考えることができた。
保育に対して、自分が何を大切にしているかを
改めて認識することができた。
・後輩を指導する立場になって
接し方や答え方が不明なところがあったが、
コーチングについて知り、実践してみることで学ぶことができた。
・コーチングのデモをやっていただき、
実践に移れたことがよかった。
・実際にコーチ、クライエント、オブザーバーにわかれて行うことで、
それぞれの気持ちになり感じることができた。
また、セッションの後に質問する時間があって
やってみて思ったことなどを共有でき、勉強になった。
・相手の話の途中でも、本当の主題から離れて行ったと感じた時には
感じたことを伝えてもいいというのが印象的だった。
・人がいかにいつも表面のことしか話していないのか…
…を考えられる良いきっかけとなった。
掘り下げ、内面を開示させてあげることが
大事なんだなぁと思いました。
・コーチングは相手の情報ではなく、感情を聞くこと。
確かに初対面の方がどのような人か知らなくても、
セッションなどを通じてコーチングはできる(引き出せる)と思えた。
・コーチングで引き出してもらえたことで
自分の気持ちに気付くことができた。
表面上のことしか引き出すことができなかったため、
相手を観察し、声に出すこと、伝えることを心掛けたい。
・コーチングを通して、相手の内なる想いを知ることができるし、
自分自身を振り返って、状況を整理することができる。
ただ実際にやってみるととても難しい。
・コーチとしてかかわる時に、自分の感性を素直に表現する。
理想の状態を想像するクセをつけてみたい。
・自分の感情にフタをしてしまうことが多かったので、
受け止め、味わっていくようにしたい。
・まだまだ難しさを感じることが多いコーチングですが、
面白い深いと思いました。もっと学びたいです。
こんな方にオススメです。
●保育者としての基本の動きを知りたい新人さん
●保育の中で求められていることを知れて、保育を支えられる人でありたい方
●職員同士で力を合わせて一年間を楽しく過ごしていくためのコミュニケーションを知りたい方
●保育のお仕事の中で、知っておきたいことを押さえておきたい方
●無限の可能性を持つ子どもへの関わり方の第一歩を保育で踏み出したい方
理想のはたらき方、情報交換しましょ!【
5.25・7.13・ 9.21・11.16・ 1.18 静岡県藤枝市【保護者と良いパートナーシップを築くためにできること】
新人対象 2018. 6. 24 in 水道橋
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