受講生から頂いた声にお応えして、お届けしてまいります。

「叱らなくていいんですか?」
~という声を、時々いただきます。

いえいえ、叱りますよ~。

ただ、叱るのは手段だと思っています。

*くれぐれも、感情をぶつける先として
 「叱る」という行為に至らないように、ご注意ください。

感情的になるのは、「怒る」「怒られた」と表現されるように
自分の中で湧き上がってきた感情に翻弄されてしまう状態を言います。

持て余してしまった感情をぶつけると、
相手は「なんか、怒られているな」という感覚になり、
「まずいことをした」という感覚は分かっても
「また始まった・・・。」と、
いつしかお説教タイムのようにとらえられ
右から左にスルーされることがあります。

一旦、自分の中にある感情に目を向けて
「私は今、怒ってるな~!」「もやもやしてるな~。。」
「でも、これは自分の中の感情。相手には関係のないことだ。」
~と自分と相手を切り分けてクールダウンを図れるといいですね。

 

 

 

 

 

 

さて、「叱る」に話を戻りましょう。

私たちは、なぜ 「叱ろう」と思うのでしょうか?

どうでもいい相手であれば、
そっと遠くから眺めていても構いませんし
嫌われるかもしれないというリスクを冒してまで、
なぜ 関わろうとするのか。

それは、相手に思いがあるからなんですね。
「良くなってほしい」
「もったいない」
「惜しい!」
~これは、私たちがいろいろな経験をしてきたからこそ
感じられるもどかしさです。

ただ、目の前にいる人は、まだその経験を
骨身に沁みて、していないかもしれません。

まだ、学ぶ必要があって、そこにいるのかもしれません。
大事なのは、
「相手に、気づきが起こること」。
そのため、私はよく コーチングの「問いかけ」で
「どう思った?」
「何が起こりましたか?」
「どんな気づきがありましたか?」
~と、相手の気付きを掘り下げます。

*これは今回の話とは少しずれるので、
リクエストがあればまたの機会に!

相手が気づくための“きっかけ”として、有効ならば
「叱る」という方法を選ぶことがあります。

【叱るのは、手段である】

叱ることが有効なときは、どんな時でしょうか?

・本人の行動を止めたいとき
・注意を引きたいとき
・立ち止まって考えてほしいとき

一方で、
叱ることで残念な結果になってしまうこともあります。
それは・・・

・相手のプライドを傷つけてしまったとき
・意欲をそいでしまったとき
・信頼関係が壊れてしまう
・叱られたことで相手の顔色をうかがう習慣が付き、
自分の判断に自信が持てなくなることがある

~などかもしれません。

【大切なのは、自覚的であること】

感情的になることの弊害は

最初に触れさせていただきましたが……。
ポイントとしては、
叱っている時にも自分の様子や相手の表情を、
話をしながらも、観察し、調整すること。

たとえば・・・
自分の一言一言を受けて
どのような変化が相手の内側に起こっているか?
もしも響いているようなら、そこで止めて
気付きを引き出すかかわりに切り替えた方が
本人の成長の機会として、良い場合もあります。
叱る場合、私たちが望んでいるのは、
「その行動は、望ましくないよ。
なぜなら、あなたの未来にとって 良くないから」

~というメッセージを伝えることであり、

相手に
「これはまずいのか。
じゃあ、どうしたらいいのだろう?」
~という気づきを与えること・
立ち止まって考え、
成長するためのチャンスを提供することです。

そこを握りならの「叱る」という行為であれば
それは大切な機会となるのではないでしょうか。

そこまで考えると、
もしかすると、叱るよりも良い方法が思い浮かぶかもしれませんね。

ちなみにーーー叱るにも、やり方がいくつかあります。

【機会としての“叱る”】

●みんなの前で叱るとき

他の人にも当てはまることであり、
みんなに聞いておいてほしいことがあるとき

~この時は、矢面に立った人との信頼関係があることが前提であり、
喩え信頼関係があったとしても 傷つくことがありますので、
後でのフォローをおすすめします。

●陰でこっそり叱る

その人のプライドを大切にしながらも、
気が付いてほしいことがあるとき
「あなたを見込んでいるからこそ」
「こうなってほしい」
~といった愛をぜひ、伝えてあげてください。

成長を見据えて、より良いコミュニケーションを図っていくためには

やっぱりお互いの信頼関係が大切にしていきたいですね!