こんにちは、松原です。
先日、洗足こども短期大学の井上眞理子先生が主催されている
人材創発Laboに参加させていただきました。
今回のテーマは
「成長を実感し、働き続けたいと思える保育現場の実態
~全国アンケート調査の分析からの検討(2)」
なんとも興味深いテーマです。
印象に残ったのは、
「保育者がやりがいを感じる職場の在り方とは?」
「園への愛着を感じられることが大切」
~という切り口であり、
こどもと大人との信頼関係・愛着関係を
園や会社など組織自体に置き換えてアタッチメント(愛着関係)と捉え、
職場にこの感覚が感じられると
意欲とともに保育を続けていくことができるというメッセージでした。
・保育者が選択できるということが大切
・お給料のため、など外発的に得られるものではなく
”その行為をすること自体”に幸せや喜びが感じられることが大切
・そのもの自体のさらなる発展や進化を目指し、一緒に新しいものを創っていけること
~Creativityeが発揮できること
・自己認識にあったチャレンジのチャンスが与えられていると、没頭と楽しさ・喜びが感じられる
~自己認識よりもチャレンジが少ないと「退屈」
自己認識よりも与えられた役割やチャレンジが大きいと「不安」に
・キャリアアップ研修等~人材育成や保育者の意識にどう影響を与えているのか?~調査の結果から
*保育者自身が与えられた役割に納得し、手ごたえを感じることと・
獲得した技術や保育観をその後い続く同僚に伝え、組織の発展に寄与することができるという期待が持てる
*休日や労働条件よりも、理念や方向性の一致が重要視されている
(法人や園のビジョンを「ありがたいお言葉」として聞かせるだけでは 満足度にはつながらない)
*組織から期待される役割が明確になり、自分を発揮する目標ができることで
必要とされるという帰属意識と自己肯定感が高まるのではないか。
*外発的報酬に偏ることなく、専門職としてのやりがいを感じて
組織に貢献する意欲を持って働ける組織の在り方が重要
~といった言葉が印象的でした。
その後のグループシェアの時間では、
・他人からの承認を得たい・依存気質の職員の自立のために?
~視野を広げる体験・役割を任せる?
・保育者の視野が広がることが、結果的に保育の質につながる
~さまざまな体験の機会が、感性につながり、保育に還元される
保育以外の体験~副業によって得られる体験、OKとしている園のいい側面・バランス指導する面など
・保育が保育者の「力量を示す場」になってしまうケース
かつての保育から、子どもの非認知能力・主体性に着目する保育への転換を
現場にどう伝え、導いていくか?
・・・といったお話も出ており、とても興味深い時間でした。
「成長を実感し、働き続けたいと思える保育現場」という観点で振り返ると、
園や組織は、と理念や目標とする保育へ向けて
クリエイティブな提案を重ねていく姿勢とともに、
職員ひとりひとりが輝ける場・役割・仕組み作り:マネジメントが重要であるといえるのではないかーーー
この感覚が、印象に残りました。
= = = = =
園や組織に「愛着」を感じられるかどうかーーー
この感覚、大切ですよね。
この感覚を育んでいくために、どんなことが出来るでしょうかーーー?
施設長時代、「職員の園への愛着を高めるにはどうしたらいいのかーーー?」
・・・というのが私の頭の片隅にずっとありました。
引く手あまたな保育士不足の今、簡単に辞めてしまうのではなく、
どうすればこの愛着や誇りからくる忠誠心のような感覚を職員と共有していけるだろう?
~そう考えて、考え得る手をすべて打つことにしました。
管理職からすれば、「働いてもらいたい」、
「こちらの思うようにやっていただきたい」のはもちろんなのですが
職員側にも様々な事情や思いがある中で、
それが見え見えになってしまうとドン引きされてしまいます。
また、私自身も離職経験がありますが・・・
「辞める体験」をするほどに保育者は傷つき、自信を失い、子どもは好きであっても
保育の現場に携わるということに不安や恐れを感じ、一歩踏み出すのをためらうかもしれません。
辞められてしまった現場も、自分たちなりにはベストを尽くしていたはずです。
離職者が出ることで、お互いが傷付き、あきらめのような感覚とともにモチベーションが下がっていく・・・
この痛みの感覚を、繰り返したくないと感じたからです。
できれば、辞めずに続けてほしい。
受け入れ側も、就職した側も一緒にできることを重ねていく中で
子どもを真ん中にした仲間として、チームとしての一体感を醸成しながら
やりがいが感じられる風土をどう作って行ったらいいのだろうか。と、考えました。
そこで大切にしていたのが、
・本人が「大事にされている」と感じられるかかわりとは?
~一人一人に興味関心を持ち、変化や気づきに声を掛け、話を聞く
・面談時に素敵なところ・助かっていること・
さらに期待していることを伝えて具体的にどうしていこうか?と一緒に考える
・人生を見据えて、家庭の状態・本人がやってみたいこと~自己実現の夢を聞く
(趣味でも、仕事でも。その中のエッセンスを生かす形で園内でのお役目を提案してみるなど。
現実的にはNGなことも、意を汲んで「ありがとうございます」で受け止める。その後、逆提案してみるなど。)
・本人の目から見た園の状態・提案を上げてもらう
~そこへ向けて本人に貢献できそうなこと・仕組みなどについても声を上げてもらう
・管理職の視点で、この職場で発揮できるであろう未知なる可能性を、本人と語り合う
園の課題と照らし合わせて、新たな役割や仕組みの創出も
・結果的に権限移譲・期待される役割・身に着けてほしいスキルの明確化・助け合いや相談の機会作りなど
(学園本体が広い視野で提案してくれることを、園にとっての意義に置き換えて職員と話し合いながら仕組みづくりをしていった)
自分自身からできることとしては、
・自分の至らなさ空の反省気付き・気づきのシェア、力を貸してもらいたいことなど声を掛け合い、感謝を伝え合う
・大変そうなことは、なるべく楽しくなるような仕掛けを考え、笑いを交える(楽しい場のマネジメント)。
~などでした。
これらは私の思いつく限りでしたが、
きっと素晴らしい実践をされている方たち・組織が世の中にはたくさん存在することでしょう。
結果的に、エキサイティングな毎日、失敗と穴があったら入りたくなるような反省を繰り返し
職員間で学びと気付きの機会と捉えて向き合う中で
辞めずにみんなで育ち合い、助け合う日々を送らせていただきました。
これらは、自分自身も走りながら武器を拾うように、思いつく限りのさまざまな学びの場に足を運び、
本を読み漁る中で学びを実践させていただいたこと。
現場にこそ役立てていただきたいという思いからプログラムに落とし込み、
現在は研修や講座の中で “あり方” や “考え方” や ”スキル” として提案をさせていただいています。
そして、この問いは現在進行形です。
手を掛ければかけるほど、思いを分かち合う・喜び合う体験が重なることによって
さらにこの愛着は深まっていくのではないかとも感じています。
引き続き、みなさんと一緒に学び続け、
子どもと保育が豊かになる保育者の在り方について共に考え、
ヒントを見つけて行くことが出来る場作りを目指していきたいと思います。
<関連記事>
園内ファシリテーター育成講座
変わるもの・変わらないものーーー園のエッセンスと、園や社会・地域の変遷から
園庭の研究会、学びからの気づき
離職がうんと減り、若手が意見をきちんと言えるようになった
【継続成長していく保育士・退職していく保育士】