こんにちは、松原です。
12月16日（日）17:00～19:00は
保育士コミュニケーション講座
「理念と現場の架け橋をつなぐコミュニケーション」。
講座にちなんで、ここまで、
・素敵な理念と、現場を去る保育者
・保育の理想と現実のギャップはなぜ起こる？
・理念を絵に描いた餅にせず、「自分ごと」に
～といったテーマで書いてきましたが、
今回は
「理念を真ん中に、現場での対話を」
というテーマで考えてみましょう。
たとえば「子どもの育ちに寄り添う」といった言葉であっても
そこから連想する理想の保育は
「思いっきり、やりたいことをやらせてあげたい」
「ただ一緒にいてあげたい」
「いろいろな場所に連れて行き、いろいろな景色を見せてあげたい」
「とはいえ、クレームの多い昨今、怪我をしないようにしたい」
「身近な自然を一緒に楽しみたい」
「小さい頃に自分が体験できなかったことを、やらせてあげたい」
「日常の中で笑い合える時間を大切にしたい」
「基本的な生活習慣を一緒に大切に、積み重ねたい」
「子どもと一緒に笑い合える時間を大切にしたい」
～などなど、
現場に立つ職員それぞれの背景や価値観・体験によって
見えている景色や思いは様々あるのではないでしょうか。
保育者不足の今、
同じ職場で働いているということ自体がご縁ですが、
そうはいってもそれぞれの思い入れやクセ・
大切にしたいことと流せることなど
ただ一緒に働いているだけでは
分かち合いにくいのも現実なのではないでしょうか。
では、足並みをそろえていくには、
どうすればいいのでしょう？
ルールを作り、周知する。
マニュアルを作り、「見ておいてね」と伝える。
園内研修で落とし込みをする。
一人一人に個別に声を掛け、指導をする。
～どれも方法として大切なことだと思いますが
それはどこもやっている。
それでも、足並みがそろわないのはなぜ？
もしかすると「だれかの正しさ」になっていて
その人自身に響いていない、
ということがあるのかもしれません。
大切なのは、
その人自身の心の深い部分と響き合うこと。
そのためにも、
雑談や連絡事項の共有・指導とはまた別の
『対話』をすることなのではないでしょうか。
対話とはなんでしょう？
評価・判断・批判を横に置いて、
お互いの声を聴き合うことです。
多面的な真理の中心に「場の声」が立ち上がり
進むべき方向が見えてきます。
私たちはどうしても、自分の価値観を「正しい」と、
基準の真ん中に置く傾向にあります。
似た感覚・価値観の人は受け入れますが
そうではない人を批判したり、
改めさせようとこちらの常識を
押し付けることもあるのではないでしょうか。
私自身の体験からの学びとも重なりますが、
人の数だけ「正しさ」はあり、
たくさんの「正しさ」の中で生活をしています。
「他人と過去は変えられない」といいますが、
人を変えることはなかなかできない。
その代わりに、自分自身の在り方や姿勢を変えていくことで
人の「正しさ」の背景に耳を傾け、
共に考えることで「あたりまえ」の日常に立ち止まり、
捉え直していくきっかけができます。
園の理念を真ん中に置き、
「先生にとっては、これってどんなことですか？」
「こんな保育をしていくために、
どんなことを大切にしていけるといいでしょうね？」
「そういえば、こんな場面がありましたよ」
～と、語り合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
相手を知ることでその人の魅力的な表情に出会うことができ、
イメージが変わるかもしれませんし、
その方のことがもっともっと好きになるかもしれません。
メンバーそれぞれの魅力に気が付いた時、
日常の保育現場でのやりとりに親近感が湧いてくるかもしれません。
背景にある共通の「絵」があることで、
交わし合う言葉にも奥行が出てきて、
お互いの工夫の仕方やヒントが見えてくるかもしれません。
「忙しい」「時間がない」そんな日常ですが、
子どもの育ちを支えていくのはやっぱり人。
人で構成された保育チームのコミュニケーションの質が、
保育の質につながっていきます。
対話を通してチームの中で共通の絵を描き
共通認識を持って、保育を進めていきましょう。
保育者の心が通うことで足並みが揃い、子どもに笑顔が生まれ、
保育者にもゆとりが生まれていきます。
とはいえ、「対話」って、どうやって行うのでしょう？
12月16日の「保育と理念の架け橋コミュニケーション講座」では、
場作りの配慮や工夫をお伝えし、
実際に参加者同士で対話の時間を持ってみましょう。
*場作りの詳細・実践は園内ファシリテーター育成講座でやります。
■日にち：2018年12月16日（日）
■時 間：17：00～19：00
■場 所：牛込柳町 フロンティアキッズ加賀町 ４Ｆ子育て支援室
■料 金：5,000円
