(2014年7月記事)

保育士コミュニケーション講座、7月の

「人間関係の良い職場作りのポイント」を開催しました。

終了後は、ラ・タベルナにてイタリアンを囲みつつ

園内の人間関係にまつわる いろんなお話で盛り上がりました。

いつも懇親会では、いろいろな園の様子を聞かせてもらい、

講座の内容の確信を深めたり、

実行していくためのさらなるアドバイスをさせていただいたりしています。

保育士はとってもやりがいがあり、

子どもたちもたまらなく可愛い、幸せなお仕事ですが、

人間関係で行き詰まりを感じると

「辞める人の多い園」になる現実があります。

そして、嫌な思いをした人は 復職に歩踏み出しにくくなる側面も。

お給料の面が取り上げられますが、

じつはそんなに高くないお仕事って他にもたくさんあります。

それよりも、居心地の良い園をどう作るかーーー?

やりがい・働き甲斐・感動を分かち合い、

人生を共に楽しめる園をどう作っていくか。

それは、今「私」から、始められる一歩もあるのです。

今回は、そういったお話について

例題をシステム思考の図で書き表し、読み解きながら

日常レベルでできる工夫の積み重ねをご紹介しました。

以下、レジュメからご紹介します。

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1. 園内の人間関係とは 
  保育士の離職理由No.1は、“人間関係の悩み”
  難しいのは・・・様々な背景を持つ職員が連携を図る職場だから

<保育を行う上で>

・一人ではなく チームで行う、保育。
 ~リーダー・サブリーダー・フォローで役割分担をして、保育が回っている

・意思疎通を図ることが、クラスを回すカギ
 ~子どもを受け止める器が広がり、保育の幅が広がる。

・見落としがちだけれども、大切な“うまくいっている理由”
 ~要となる人の存在・連携・それぞれの認識・情報共有

・園内の空気感にアンテナを立てること
 ~空気感・関係性・状況は変わり続けるもの。
  滞ることのないよう、常に入れ替える意識が大切

・影響力がある人が、上手に影響力を活用すること
 ~全体を支えていく器を整えられると、職員が安心して力を発揮できる

・自分の立ち位置を認識し、上手に生かす
 ~非常勤・新人・中堅・ベテラン・主任・園長(施設長)・・・
  それぞれの持ち味を生かして、園を活性化する視点

<園内の空気感を客観的に捉えると…?>    

<理想の状態とは?>

*例題:こちらの設定で、園内の人間関係図について考える

 園長先生:社会福祉法人で長くやっている。主に園長室にいる。
      職員からの相談は「現場は現場同士で・・・」

 主  任:現場を5年、手探りながら主任になって5年目。
      実は自信がないが、園長と現場の狭間で必死で主任業を行っている。
      不器用ながら指導をすると、きつくなってしまう。

 ベテラン:昨年、結婚・妊娠・第二の人生へ向けて退職 

 中  堅:見て学んできた。
      自分のこと・園行事などそつなくこなせるが、それ以外のことは無関心。

 新  人:今年から4人入った。
      必死で手探りで慣れようとしているが、聞くに聞けない。
      これでいいのか?不安を感じている。

 

2.人間関係を円滑にする 保育のポイント 

①お互いの「ちがい」を受け入れること
保育現場特有の人間関係のむずかしさは、職員間の温度差・価値観の違いから。

 ・男性/女性

 ・新人/中堅/ベテラン

 ・20代/30代/40代/50代/60代

 ・生え抜き職員/他園を経験した職員

 ・保育の道一本/異業種からの転職

 ・保育に思いを持っている人/仕方なく保育をしている人
 
★「価値観の違い」「感覚の違い」「常識の違い」・・・
  ~ちょっとした感覚のちがいがが、不協和音に?!

  ちがいを生かすためには、“ちがいの背景”に耳を傾けること
  ~どんな価値観(生きていくうえで大切にしたいこと)があるのか?

★チームワークは「ちがい」を受け入れ合うことから
 ・ちがいを面白がる
 ・ちがいがあるから、幅が広がる
 ・そこから何ができるかを出し合う

②共通の目的を確認すること
園・クラス・職員としての“共通の目的”を見つける
現状を知ること、目指す先を共有することで連帯感が生まれる

共通の「ねがい」は?
 大切にしたいものは?

「         のために」

 ~ 保育の根っこは変わらない ~

   保育の中で、どんな子どもに育ってほしいか?
   どんな思いを持っているか?
   子どもへの思いを語り合う時間を大切に

③「批判」ではなく、「感じていること」に焦点を当てること
 ・批判的な意見の裏側に、その人が大事にしているものが見えてくる
 ・「感情」「感じていること」として受け止める                     
               
④リクエストを伝えあうこと
 ・陰口や文句は“リクエスト”として捉え直す
 ・園内を仲裁する人の存在が、鍵
 ・日ごろの信頼関係を築いておく
 ・要望を気軽に伝えあえる文化が居心地の良さにつながる

3.保育は感情労働

~仕事を通じて 人と“感情のやりとり”をしている
 気持ちよく働けるための配慮は?

 ・正しいことより、気持ちを尊重する
 ・相手の立場や気持ちに思いを馳せる
 ・気持ちを受け止める
 ・声を掛け合う
 ・相手に関心を持つ
 ・情報共有をする
 ・批判ではなく、「感じたこと」として伝える
 ・共に、考える

4.まとめ・印象に残ったこと

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<参加者の感想は、こちらです>

・一人一人が違う感情・価値観・
 思考を持った人だということをあらためて感じました。

・チームで動いているということを意識し、
 分かり合おう・共有し合おうと努力することが大切だということ。

・クレームをリクエストに変え、風通しの良い職場を目指したい。

・空気感を図に起こすのを通して、客観的に
 自分の立場や状態を振り返ることができたことがよかった。

・事例や図も交え「いろんな人がいるのだ」ということを感じることができた。

・コミュニケーションという可視化しずらいものが目に見えて分かった。
 理論づけて説明してもらえて、良かった。

・批判するのではなく、それぞれの良いところを見つけていこうと思います。

・それぞれの違いを受け入れて保育をしていこうと思います。

・人間関係の中で空気にアンテナを立てるというのが興味深く、今後やってみたいと思います。

・意見交換しながら学べたり、先生が席を回ってきてくださるなど
 聞きやすい雰囲気が良かったです。

・保育は感情労働であるという点が印象的でした。

・すべては「子どものために」目的は同じでも、
 経路が違うときには話し合うことが大切だと感じました。

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ーそして今回は、DVDの申し込みもちらほらいただいております。

★DVDのお申し込みは、こちらから出来ます。

(到着は8月中旬以降を予定しています)

隠れニーズの多い、こちらのテーマ。

人間関係の良い園が増え、大人が輝く背中を見せて

未来に子どもたちの期待がふくらみますように♪

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