「わが町から保育所がなくなるということは…、地域の消滅につながる」

~沼島での事例をお聞きして、ハッと息をのむ会場。
そうか…。
子どもが地域からいなくなるということは、
地域が消滅していくということなんですね。
ひとりでも子どもがいたら、保育は必要。
それが未来の子育てをつないでいくーーー

…ということで、
Q.この国は、どんな未来を描いていけるのか?
Q.世界はどこへ向かっているのか?
Q.人口減少…とはいえ、今をチャンスに変えていくには?
~といった問いを頭の片隅に持ちながら、
私立保育園連盟 栃木大会の二日目

、「第66回 私立保育研究大会栃: 栃木大会 第 第10分科会会場」というテキストの画像のようです

「すべての子どもに求められるに制度へ向けて
 〜人口減少社会の中でこれからの保育を考える」
に参加させていただきました。
人口が爆発的に増えた時期があることを思うと
次第に減っていくのは、止むを得ないことかもしれません。
その時期に当たり前になっていたシステムが
時代の変化とともに変化し、別の形が必要になる。
それによって何が起こるのか?
~見えないと不安と向き合い
さまざまなキーパーソンへ希望を橋渡しさせていただけるといいですね。

以下、午前の部・午後の部を通して印象に残ったことを
シェアさせていただきます。
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・保育の総量は、減少に転じている。
・減少…というと、どう増やすか!?に意識が向きがちだが、
本当に大切なのは、子育てや保育に携わる人の質や幸福度を高めていくこと
・子ども家庭庁創設以上に大切なのは、
 子どもの権利条約にのっとった 「こども基本法」が制定されたこと
・30年の時を越えて、ようやく「すべての子どもが権利を尊重される」という本来あるべき姿へ向けて動き出した
・ノルウェーでかつて子育て家庭への支援に力を入れた際、
 孤立化・経済的な困窮・貧困…と悪循環に。
 →親が仕事に就く前から保育施設に通えるように。
・日本では昔は専業主婦が主流だった~相互支援が中心
・かつては共同○○など、強制的にかかわる機会が地域にあったが、いまは便利になり 一日一言も他者と話さない人も。子育てが孤独化していることが、「こども誰でも通園制度」の背景にある
・今後は過疎地でも…保育が足りなくなる可能性がある!?
・ニュージーランド・スウェーデン・イギリス…すでに幼保一元化
・インクルーシブに受け入れるため、
「この子が園に入るため、どのような環境・サポートが必要か?」
 ~子どもの個別教育計画に親が中心となり、参加メンバーを決めていく。
・定員減でも経営できる補助水準にお金をかけることの大切さ
・日本の中でも、すでに貯蓄を切り崩して運営をしている園も。
・島根県では、独自の補助を使い、経営水準を支えている
~国の補助がこういったところに届く仕組みが、各地でも必要。
・保育単体でやらずに、うまくサポートし合える仕組みを。
 EX:老人施設と保育園共同バスの運行
  都市と農村の共同・バカンス出来た子の保育受け入れ
  親を教育して保育を展開・足りないところに保育を付ける
  自然保育・親所有の小規模保育を国が支援
 ~これまでの保育制度にとらわれず、自由な発想で!
・ニュージーランド:各地の保育の質をWEBで知ることができる
 ~「この園に行きたいから、移住する」選択・決断の材料に…
 日本でも「ここdeサーチ」運用がじつは始まっている。
・「どういう社会を作っていきたいか?」
 …を考えたとき、質の低い保育や教育は社会や未来に悪影響をもたらす。
 質の高い保育・教育が、地域の未来に直結する。
 大切なのは、「質」。だからこそ、振り返りを!
 保育者が忙しすぎるので、親が声を掛けづらい…
 保護者が保育者を捕まえて話ができる環境・パートナーシップへ。
・サステナビリティ学の中では「質」に注目していくことが重要と言われている。
・保育の質・保育者の質を上げていく…。
・質のためにも「子どもの権利」そういった保育を実現するには、
 保育者だけが頑張るのではなく
 親の支援が必要。いろいろな人のかかわりを生かすこと
 EX:親のアイディア・ボランティア・レクリエーションの機会・親の居場所づくり(テーブルとイス、マイカップを置くなど)
  アメリカでは、親を子育てのパートナーとして位置付ける新たな関係性構築が模索されている
・保護者はお客様ではなく、一緒に作っていく人。
 サポートし、一緒に生産者側になるように。
・保育園に通園されているご家庭は、多子世帯が多い。
~「子育てのパートナー」がいる心強さを感じているのでは
・「子どもが通う施設にもっと増やしてほしいこと」
 ~体を動かすこと・子どもの意見を聞くこと・自由に選んだ遊びをすること
・様々な環境を生かした取り組み
 ~教育に使える屋外の資源を用意する:キャンプ・野外授業雑木林の活用・子どもと一緒に遊具を作る・園庭作りに子どもが参画・保育園だけではなく、町全体を遊び場にする!フィンランドでは公園おばさんが駐在するなど
・「ここにたどり着けば、何でも解決する!」細やかな情報提供の重要性
 ~必要な時に、必要な情報にたどり着くことができる仕組み
 EX:NLではコロナ時に親子向け国営放送でのテレビ番組を提供
・日本の母親・父親は世界一睡眠時間が短い!?
 乳幼児期にかかわる大人のウェルビーイング向上へ
 ~親の働き方を見直す
 ~保育のありかたを見直す
 ~本当に長時間の開所は必要?世界と逆行している。
  開いているから働けてしまう…悪循環では?
 ~保育士の働き方への配慮:どうマネジメントするかが重要
・これから…日本に、オンブズマン・子どもコミッショナーの重要性
・「親が働くため」の保育から、「子どものため」の保育に。
・各地の人口動態と子どもの数の推移を踏まえてーーー流出を防ぐための工夫(子育ての質を高める努力が重要)
・保育をブラックボックスにしないこと。
 評価結果:健康診断の結果と捉え、改善に向けていかに生かしていくかが重要。
・地方自治体の重要な役割:
 「この街をどうしていきたいのか」というVisionを
 しっかり描き、使命感をもって運営していくこと。
 その一部(保育施設)としてーーー経営ではなく、機能に着目。
 ~多機能化・多角化・多世帯共生の模索
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少子化ーーーという「量」の問題にとらわれ過ぎて
質が後回しになり、結果的に出生数の減少に拍車をかけてしまったかも…と感じました。
とはいえ、いま私たちの目の前に子どもたちはいるのです。
これからは、今ある資源を大切に、新たな形を模索していくことですね。
地域に大切なのは、
子育てをしている家族が定着・定住できるための支援。
~自分たちにできることをそれぞれの立場で多方面にいろいろな方の力を借りて進めていくことで手をつないでいきたいですね。

今回の学びは、これから保育者・地方自治体にお勤めの皆さんへの子育て支援の研修を担当させていただく機会にもつながっていく大きな目を開かせていただく貴重な時間となりました。
池本先生・塚本先生・坂崎先生・森田先生・高谷先生、
支えてくださったみなさま、どうもありがとうございました!
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その後は、夜の交流会へ!
栃木の皆様の計らいにて、ジャズの街宇都宮の演奏を聞くことができ。
U字工事さんの場を掴む笑いに浸らせていただき。
各地のみなさんとの再会やご縁をいただく楽しい時間でした。
ご一緒させていただいてどうもありがとうございました!

2人、クラリネット、テキストの画像のようです