こんにちは、松原です。
最近、「オンデマンドで研修をお願いしたいんですが・・・」
というご依頼をいただくことが増えてきました。
これまでの会場に集まって受ける研修や講演会だと
密になってしまったりリスクが高くなる可能性がある。
そうだ、オンデマンド=動画 だと、楽だし
いつでも気軽に見られるんじゃないか!?
「そうだ、オンデマンドにしよう!」
~そう思いますよね。
オンデマンドは便利でいい!?
ええ。
ご覧になる方は、見るだけでいいんです。
ただーーーそのオンデマンド(動画)、
いつ撮りますか?
どんな体制で制作しますか?
どこで(どういった状況で)撮りますか?
誰が編集しますか?
どこの媒体でご覧になりますか?
~これ、いままでの動画編集会社の方たちは
多額のお金と手間とスキルをかけて、撮っていたものなんです。
たとえば・・・
かつて私が授業でやっていたものをベースにレジュメを作り直し、構成を練り直して
やいづTVの青木プロデューサーに撮影をお願いしてスタジオを借り、
高級なカメラを使っていただいて
編集をお願いして形にさせていただきました。
動画は気軽になった!?
最近ではZOOMでのオンラインが便利になり
記録も気軽にできるようになったことで
「もしかして動画って楽にできるんじゃないか?」
~という予感が頭をよぎり、私も 気軽な気持ちで 昨年
「動画でマネジメント」を引き受けました。
ところがーーー
実際に撮ってみて気が付いたのは、
・ZOOMの録画だと、電波の調子によって音がぶつぶつ切れる(涙)
・音声用のマイクをつけていても、
画像としてUPしたときに、周囲のいろんな音が入ってしまう
・目の前に人がいる状態と、いない状態で
どこまでどう伝えると多様な人に伝わるのか?
~いろいろな状態を想定する中で、話が長くなる(涙)
→人の集中できる時間は20分といわれているので、
構成を20分で納められるよう、何度もやり直すことに・・・。
・ワークを想定して「考えようタイム」など、
文字入れが地味な作業で大変・・・。
~ということで、お正月で終わるはずが構成さえも終えられず、
動画の編集担当を募集して業務委託することになりました。
プロにはプロの技がある、そしてーーー
そしたら、
・画質をクリアリングしてくれたり
・音声を必要な音のみに調整してくれたり
・文字入れを絶妙なタイミングで行ってくれたり
~としてくださり、感激。
とはいえ、確認作業をする中で
「はっ、あの表現はまずいんじゃないか」
「ここだけ、こういうふうに言い換えたい。」
「ここからここをカットして、
こことつないでもらえたら内容が自然になるだろうか」
「前後関係を考慮すると、
もう一場面撮って送った方がいいんじゃないか」
「そうなると、あの日の服と同じ服・メイクで
もう一度撮り直した方が早くないか?」
~となり、2倍・3倍の時間がかかることに・・・。
(自分でやると、いろいろ考えすぎて
なかなか前に進めなくなるので
これは必要なプロセスなのでしょう)
・・・というわけで、
見るのは簡単、作る方はなかなかな道のりです。
オンデマンド研修の利点
~と、ここまでは 依頼を受ける側の視点でお話をしてまいりましたが、
オンデマンド型の研修って、実際のところ どうなんでしょう?
いいところ(メリット)
・業務の合間に、気軽に学びを得ることができる
・移動時間にとらわれずに学びを得ることができる
・交通費がかからない
・気になったところを繰り返し見ることができる
・事前の打ち合わせから、皆さんのお困りごとに沿った形で
フォーカスをあてて特別に製作が可能
・周りの目や反応を気にせず、自分として受講することができる
(悩んでいると、知られたくない。同じ職場の人に、どう見られるのか不安・・・など)
課題と感じるところ(デメリット)
・じっくりと集中できる場所
・環境の確保
・いつか見よう、と思ってそのままになってしまう
・チェック・報告する仕組みを作らないと、
見たのかどうなのかわからない
・その人のニーズに合った内容でないと、全く役に立たない
(ペンを持ったまま、寝てしまう場合も)
・気づきを分かち合いたいが、自分しかいない
・分かった気になるが、現実が変化しづらい
~などなど。
さて、この学びの機会を通して、
ご自身やお仲間の皆さんが得たい状態は、どんな状態だったでしょうか?
どんな願いをお持ちでしたか?
「オンデマンド」をすることが、目的ではありませんよね。
研修は理想の状態を得ていくための「機会」です。
機会をゴールにするのではなく、
子どもを真ん中にした皆さんの笑顔のために、”活用”してください。
結論:オンデマンドの利点と課題を踏まえ、手間暇費用を合計して依頼を
・・・いかがだったでしょうか?
便利!!それだけではなく多面的な要素を踏まえたうえで、
オンデマンドという機会をご活用いただけるといいですね。
「会場費かからないし、交通費かからないし、
手間もかからないし、便利だからお願いしちゃおう」
⇒ その分、お願いされた側の手間とお金と時間がかかります。
浮いた分のお金は、当初予定していた
講師依頼料 + 会場代 +
会場を取るためにかけていた時間代
(人気のところはなかなか取れず、電話の前に張り付きますよね)
+ 講師の交通費
(遠くから来ていただくには費用が掛かりますし、
移動時間の調整が付くかどうかも課題)
~ととらえるとして、依頼料金に合計しておくと、
いい関係で一緒に作っていく方向として
お話を進めやすくなるのではないでしょうか。
仲間の素敵な可能性に気づくチャンスにも!?
「なるべく、経費を抑えたいーーー!」
その場合、お願いする前に、
編集などどこまでをどう工夫できるのかを
ご自身の仲間内で検討した上でお声掛けなさることをお勧めします。
そうはいっても、なかなか難しいのが、
そういった裏方の表に出ない作業の部分です。
これを機に、お仲間内の「そんなスキルをお持ちでしたか!」という
期待の人材を発掘するのも楽しいですね。
じつは、園内ファシリテーター育成講座受講生の園や、
保育コミュニケーション協会オンラインサロンでも
「実は動画編集、好きなんです。」という人が現れ
楽しみながらチャレンジをしてくださり、
役割分担でお互いが感謝し合いながら
いい流れになっているというお話もあります。
仲間内でやってみたい人を募り、
小さな動画編集からチャレンジしていく中で、
オンデマンド研修だけではなく
保護者への動画配信・子育て支援の取り組み・・・など
多様な発展も見ることができるでしょう。
オンデマンド研修を、子どもを真ん中に
今後に可能性が広がる機会ととらえてみるのはいかがでしょうか。
みなさまのご尽力、心より応援しております!