こんにちは、松原です。

最近、参加者からいただく質問で
「子どもへの関わり方が乱暴になってしまう年上の先生に、
 どう指導したらいいのか」
というニュアンスのものがちらほらあります。

「大人の意図通りに子どもを動かすこと」
「それができない状態であること」
~へのいら立ちをぶつけている状態かもしれません。

表面的には
「声掛け」「指導の仕方」の問題に見えるため
「どう伝えよう?」となりがちですが---

じつは、指摘されても本質的な部分が変わらないと
「言われちゃった」となり、

*その人の目の前でだけ‟いい顔”を意識する
  ~しわ寄せが子どもに出ることも。
*反発が生まれ、関係性が悪くなり、保育がやりづらくなる

・・・といったことがあるのではないでしょうか。

ですが、本質的には…

子どもに今起きている成長や
出来ごとを観察する視点・耳を傾けたり、
一緒に考えたりするという視点を持てず、
目の前の子ども理解に苦しんでいる

~のかもしれません。

この場合、ご自身も保育を楽しいと思えず、
苦しいのではないでしょうか。

ここで、「困った先生」という視点から
「困っている先生」という視点に転換してみるとヒントが見えてきます。

私自身も気になるかかわりをする職員への声掛けで
いろいろやってみた体験があるのですが、
一番響いたのは
「正論」としての指導を言うことではなく---、

 「先生、何に困っていますか?」

 「心の中で何が起こっていますか?」

 「子どもには今、何が起こっているのでしょうか?」

 「子どもの心の育ちを尊重するためには、どんなかかわりがいいんでしょうね?」

・・・というように問い掛け、
本人に気づいてもらえるようなコーチングのかかわりを行うことでした。
(本人が立ち止まり、考え始めたら 一緒に考えたり、
子どもへの見方に関しては
「こんな風に捉えてみることもできるかもしれません」と視点を提示していきます)

これは何かというと、

1.自分に反射的に行っている行動を、寄り添いながら棚卸する
 ~自分に気づいてもらう時間を持つ

2.目の前の子どもに起こっていることを観察する視点を持つ
 ~どんな気持ち?どんな成長の段階にいる?今必要なかかわりは?

・・・といったやりとりを通じて、
保育者が反射的に起こしている行動を意識化し、
自覚的に目の前に関わることができるように支援していたのでした。

日々の保育の中ではなかなかすべての場面に対して
振り返りを入れることは難しいですが、
時々 本人が困っていた場面を一緒に振り返る中で

= = = = =
自分と子どもとは別であり、保育の仕事は
子どもの「育ち」に寄り添うかかわりをすることである
= = = = =

・・・という奥深くも魅力的な保育の世界を
一緒に楽しんでいけるといいですね。