柏市の子育て支援施設の支援員さん向けに
今年の1月より3回シリーズで講座を担当させていただきました。
こちら、担当の方と相談して
支援員さんの手遊びレパートリーを少しずつ増やしていくことと、
より、研修を現場の実践に役立てるために
1.シリーズのスタート前に事前アンケートで
子育て支援において感じていること・現状の把握を行う
2.1月 第一回目を開催
~当日の感想を参加者よりフィードバック
3.研修間アンケートにて、
前回から現場へ戻ってみてどう感じたか、さらなる課題を収集。
4.2月 第二回目を開催
~当日の感想を参加者よりフィードバック
5.研修間アンケートにて、
前回から現場へ戻ってみてどう感じたか、さらなる課題を収集。
6.3月 第三回目を開催
~当日の感想を参加者よりフィードバック
~といった形式で進めて行きました。
それによって、実際に行ったことのさらなる見直しのいい機会にもなり
私自身も大変学びの多い時間となりました。
なにより、柏市の支援員さんの
「ママたちの、お役に立ちたい・・・!!」
~という、ハートのあたたかさが会場にあふれておりました。
こんな素敵な支援員さんたちに支えられている
柏市のご家庭は、幸せですね。
ぜひ、足を運んでいただきたいと思いました。
そして、思い出したのです。
私がこの仕事を始めるきっかけとなった、
児童養護施設の職員時代。
「子どものために、保護者を応援したい!」
~という思いが、すべての始まりであり、原動力であったのだと。
じつは、子育て支援施設に週に一度ボランティアに通い、
初めてのセミナーはご厚意で、
その鷺沼の家庭支援施設にて行わせていただいたのでした。
~そういったことも頭の片隅で思い出しつつ・・・
柏市子育て支援講座 第一回目
第一回目は
1.魔法の手遊び
~5つほどご紹介!
2.子育て家庭の今
・核家族が増え、つながりが失われつつある
・ 情報の海の中で、何を信じていいのかわからない
・ してもらったことを、しているだけ
・かかわり方が分からない
・ 子育てが、見えない
・ 自分自身との葛藤
3.発達心理学を踏まえた人生の課題
~エリクソンの発達段階理論より
1:乳児期 5:思春期・青年期
(基本的信頼 - 不信) (アイデンテティ - アイデンテティの拡散)
2:幼児期前期 6:成人期
(自律性 -恥・疑惑) (親密 - 孤立)
3:幼児期後期 7:壮年期
(自主性 - 罪悪感) (世代性 - 停滞性)
4:児童期 8:老年期
(勤勉性 - 劣等感) (統合性 ‐ 絶望)
4.ケース検討
●見守りのできない母親 (設定等は仮 )
支援センターで他児のおもちゃを横取りし、
トラブルが絶えないまりか(1歳)。
職員が声を掛けるが、えみこ(28歳)は目を向けず、
母親同士のおしゃべりやスマホを見て時間を潰している。
声を掛けるとその時だけ子どもに目を向けるが、
その後は放置状態である。
見守りができない母親への疑問とともに、
今後の親子関係に不安を感じる。
母 親:えみこ(28歳)OLをしていたが、
父 親:さとる(32歳)東京の会社員
子ども:まりか(1歳)
5.システムコンステレーション
~子どもをイスとして真ん中に置き、さまざまな登場人物
それぞれの位置に立ってみて、感じることをメモする
6.事例の理解
・背景として考えられるもの
-母親と父親の関係性は?会話は?
-母親の育った家庭の環境・関係性は?
-ここまでの親子関係は?
-子どものサインは?
・必要としていること・課題
-母親にとって
-父親にとって
-子どもにとって
・次のステップ
-コンステレーションを経て、感じたことを3人組でシェア>
-援助の流れ(子ども以外でも)
子どもの存在・協力・行動に対して
ありがとうと伝える
↓
私は他の人の役にたっていると思える
(貢献感を感じる)
↓
私は価値があるんだと思える
↓
対人関係に入る勇気が持てる
↓
対人関係の中で幸せを感じる
<アドラー心理学:「嫌われる勇気」岸見一郎氏
講演を主催している宮本和味さんより>
7.寄り添う支援のためのコミュニケーション
・批判的態度
・受容・承認
・アドバイス
~それぞれのワークと、振り返り
8.まとめ
~といった流れで進めて行きました。
以下、参加者の感想を一部 ご紹介いたします。
<参加者の声>
・ふだん来館者とかかわっている時に大切なことを
もう一度確認することが出来て良かった。
・お子さんを支えるのはまずお母さんやお父さんから、
というお話が印象に残りました。
・楽しい手遊びからスタートし、コミュニケーションのロールプレイまで
とても充実した時間でした。
・あっという間の3時間でした。
お話も聞きやすく、時間の経つのが早かったです。
・すごく身近な課題だったため共感できるところが多く、
あらためて気づくところもあり、興味深く受講できました。
・講義だけでなく、実際に手遊びをしたりワークショップを行ったり、
動くことで理解がしやすかったです。
・ワークによって、来館者の立場・職員の在り方が具体的に学べました。
現場で実践していきたいです。
・親の育ちの背景をそこまで深く地球することはなかったので、新鮮でした。
子どもはどんどん変わることが出来るけれど、大人はそうはいかない。
対応のし方を学びたいです。
・先生のなりきり演技がすごいです。
ジェスチャーや体の動作も加わり、とても共感できました。
・何か気になることがあった時に、その人の発達課題に思いを馳せる、
ということが とても心に残りました。
それによって、その人のことを共感的に見られますね。
・どこにでもいるような親子の事例を挙げていただき、とても参考になりました。
・講義を進める中で隣の方と二人で話したり、
三人で話したりと変化があって良かった。
・親の内面について考える時、とても奥が深いことを知り、
その中で自分が何ができるか考えることが出来ました。
・人生の課題のところでは、自分自身を振り返って
やり残したことがあるかもしれない、と思い至ることがありました。
・思い込みや、一方からしか見えて居中田ことなどの気付きも多くあり、
「子育て家庭の今」や「発達心理を踏まえた人生の課題」では、
裏を返せば…という見方・考え方がよく分かり、
考え方・対応の仕方に体背得る柔軟性の重要さを感じました。
日頃からの言葉かけ・味方に付いて 十分気を付けたいです。
・気になる親子のコンステレーションをするという作業は、
これから施設みんなでやっていけると
より良い支援につなげらるのではないかと感じました。
・子どもを中心に考えた 父・母・祖父母の立ち位置を
自分で考えてみて感じることは、とてもいい経験になりました。
・子どもの教育・かかわりには、
保護者の成育歴が大きく関係していると改めて痛感した。
・育てられたように、育っている。
その通りだと思わずにはいられません。
・存在承認をできるところからやっていきたいと思いました。
・ワークで聞き方のパターンをやってみて、傾聴サイドの態度により、
ママたちの話しやすさが大きく変わることを改めて実感し、
今後に生かしたいと思いました。
・ワークをやってみて、
気持ちってすぐ表情に出てしまうんだなぁ・・・と感じました。
・ママが自分を肯定し、
愛せるようにサポートしていきたいと思います。
・日常の業務の中で保護者への対応は悩みが多かったので、
本日の研修は大変参考になりました。
・コンステレーションを行うことで、
実際その立場になって言葉の印象などを感jじることが出来て
良かったと思います。
・母親の外見や様子だけを判断するのではなく、
その背景も考えて対応することも必要だとあらためて感じました。
・相手に合わせることで相手を受け入れ、相手も心を開くという
「ペーシング」はこれからの仕事の中に取り入れて行きたいと思います。
・明るく元気に迎えることを意識してきましたが、
相手が不安でいる時など、その様子に合わせて対応することも
大切であると気付かせていただきました。
・先生自身がいろいろな役になり切っていて、すごいと思いました。
・研修で学ぶだけでなく、自分たちも人とつながり共感し合うことで満たされ、
パワーになる機会となりました。
これからに向き合う力となりました。
・ピラミッドの一番下の子たちに出会うことはないと思っていましたが、
思い込みだったかもしれません。
母親が出すサインを注意深く見て、対応していきたいと思います。
・解説も分かりやすく、事例を元にロールプレイングしたことで
生の現場でもすぐ活用できそうで有意義でした。
・親子に対して、他の施設の方々と共感でき、参考になりました。
・子育て支援研修でしたが、講座を受け持ったときの盛り上げ方や、
集中してほしいときの持って行き方なども勉強になりました。
・「エリクソンの発達段階理論」これは非常に納得できる理論で、
自分自身の人生の振り返りにもなりました。
・発達心理学を踏まえた課題の中で、
「やり残していること」を子育ての中で向かい合うことになる
という視点に合点がいきました。
・あれ?と思った保護者に関してはまず傾聴し、受け入れることにより
その保護者の背負っているものが分かってくる。
それからのアプローチが大切である---というのが印象的でした。
・今まで、利用者さんへの対応で、どのように加減して
コミュニケーションを取っていけばいいのか、
基準のようなものが分からずにいましたが、実践しながら理解できた。
柏市子育て支援講座 第二回目
「何度声を掛けても、なかなか変化が現れない…」もどかしい思いを感じる、
子育て支援の場面もあるのではないでしょうか。
第二回目では、そういった保護者にどう寄り添い、支援をすればいいのかについて
ワークを交えて学んでいきました。
以下、レジュメからご紹介します。
1.魔法の手遊び講座
2.前回の振り返り~良好な関係性のために
・人はそれぞれ、ベストを尽くしている
~ペーシングによって相手を受け入れ、
安心して一歩を踏み出す(リーディング)土台を作る
・心の距離を縮めていく日常会話
~あいさつ・天気・子どもや親の素敵なところ・
心が動いたエピソード(視点)の共有など
・喜び合う瞬間を多く重ねていく
~「よかった」「うれしい」「感動」など
肯定的な感情を分かち合う機会を多く作る
⇒安心感・味方意識・仲間意識
⇒本音を話し、一歩踏み出す
3.もどかしい場面における、気づきと変化のタイミング
4.ケース検討 :子どもの物の取り合いに戸惑う母
支援センターにて、まさる(2歳)の使っているおもちゃを
たけし(1歳)も使いたかったようで、取り合いに発展する。
それに対して、
・母親A:見て見ぬふりをし、おしゃべりに興じている
・母親B:わが子を強く叱り、謝罪させる
・母親C:わが子の味方をして、他児を責める
・母親D:どうしていいのかわからず、おろおろする
・母親E:気づかない
何が起こっているのか?
~システム・コンステレーション
<それぞれの立ち位置で感じたこと・課題>
~これらを踏まえて、どうサポートすればよいのか?
<ケースへの対応 振り返り>
・母親A:見て見ぬふりをし、おしゃべりに興じている
⇒子ども・母親の気持ちを代弁する寄り添いから
・母親B:わが子を強く叱り、謝罪させる
⇒母親の葛藤に寄り添うところから、気付きへ
・母親C:わが子の味方をして、他児を責める
⇒かばいたい気持ちに寄り添い、視野を広げる
・母親D:どうしていいのかわからず、おろおろする
⇒戸惑いに寄り添い、場面の分析を一緒に行う
・母親E:気づかない
⇒子どもに起こっていることに注意を向ける声掛け
本人が向き合おうとした時が、変化のタイミング!
5.相手が受け入れやすい伝え方
・保護者への敬意を伝える表現で
・子どもの様子がイメージできるように言葉を補いながら
・エピソードは好きな人のノロケ話をするように
<言いにくいことを伝えるときには・・・>
・まずはペーシングで相手に寄り添う
~人はみんな、自分が大事。安心の扉を開く。
・前提を言語化する
(保護者には見えていない保育の視点は?)
・支援センターがお役にたてそうなこと・提案を伝える
●伝え方 黄金ルール
【ワーク】
子ども同士の物の貸し借りの場面において
成長の中での意味・重要性を保護者に伝える
【伝える内容】
~書き出してみましょう!
6.子育て支援とコーチング
コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を
目的達成へと導くことを指す。
大前提は、「相手の中に、答えがある」
なぜ、コーチングが子育て支援に有効なのか?
1.情報あふれる社会の中で、自分を見失っている
2.感情と出来事に折り合いをつ
けることができる
3.自分の中の答えを見つけるサポートができる
4.母としてのまなざしを踏まえて、
適切な情報を選択できる
<コーチング5つの要素のご紹介>
7.コーチングセッション
【クライアント】
①自分の親からされてきた
体罰のようなかかわりを
子どもにしてしまうのではないかと、
不安を感じている母親役
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
-----------------ーーー
【クライアント】
②わが子の行動を見て
障害があるのではないかと、
不安を感じている母親役
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
----------------------
【クライアント】
③子どもが生まれてから夫婦仲が悪く、
相談をしても無関心、
何かを言うとケンカになってしまうことを
悩んでいる母親役
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
8.まとめ・振り返り
支援センターはさまざまな思いを持った人が集まる場。
みなさんは日本の未来を支援するプロフェッショナルです。
親子の揺れ動く感情にみなさんの深い愛情で
“ダンスを踊るように”寄り添い、
親子の中に眠る力を後押ししてください!
<参加者の感想を一部 ご紹介します>
・三人でのコーチングセッションが5分長くなったので、ちゃんとセッション出来た感じがしてよかった。
相変わらず、先生の演技力に感動した。
・セッションが深いテーマだったせいか、深刻に盛り上がり、やるときも見ている時もせっぱつまったかんじで緊張した。
しゃべりだすと止まらない感じで、少し怖かった。
現場では、ママが話し出すと泣いてしまうことが何回かあったが、それよりもすごかった。
・前回より講義内容がとても分かりやすく、
コーチングセッションでもクライアントの悩みの設定が明確で分かりやすかった。
また、内容も丁寧でとても参考になった。
・先生の言葉掛けがとても参考になった。
コーチングセッションでは、各々の立場で、ほかの職員から教えていただくことが多くあった。
。朝も気軽に声掛けをしてくださって、気持ちが和みました。
私も利用者に、先生のような優しく明るい声掛けをしたいと思いました。
ありがとうございました。
・保護者とお話をするときにとても役立つ内容ばかりで、興味深かったです。
手遊びも楽しそうでよかったです。
先生の演技が素晴らしかったです。
具体的に事例を想像することができて、イメージが膨らみました。
・前回の話や二回目のケース対応を体験することにより対応の仕方がより明確になり、
今後のセンターでの保護者への良い沿い方が分かりました。
コーチングセッションでは、3人体制で様々な立場になると、より明確になり
どんな受け入れ方をしていくとお義母さんの気持ちが変化していくのかとても分かりやすかったです。
・手遊びから始まり、みんながリラックスしたところでだんだん本題に入っていき
最後に自分で実際にやってみる、進行がよくて分かりやすかったと思いましたが、
すごく難しいなぁと思いました。先生のように上手にかかわれるように頑張ろうと思います。
それぞれの保護者の感情を体験したことが印象的でした。
・毎回、先生の表現力はすごいなぁと思いました。
お母さんお心の変化が分かりました。
先生のように対応し、心を開いてくれるように接したいと思いました。
・「相手の中に答えがある」というところに、大変心を打たれました。
つい、こちらがアドバイスし「答えっぽい」促しをしてしまいがちなので。
・クレーマーにレッテルを貼らないこと、というのが印象的でした。
私の時には女優になり、来館したママたちと良好な関係を築きたい。
・悩みを持ち、子育てをしている保護者への魔法の言葉、力強い言葉
「一緒に~しましょう」この言葉を頭の片隅に置き、保護者に対応したいと思います。
・「よかった」「うれしい」「感動」など、肯定的な感情を分かち合う機会を持つよう心掛けて
仕事をしていきたいです。
・ご自身の経験を話してくださり、とても参考になりました。
・ロールプレイで、コーチングの技法によって不安や課題を抱えている人の心がほぐれ
自分で解決の糸口をつかんだり、納得していく様子を見ることができた。
また、共感してくれる人、受け止めてくれる人がいることで 肩の力が抜けることを実感できた。
まず、母親たちに駅意をもって接し、「相手の中に答えがある」ということを
いつも肝に銘じていたいと思いました。
・コーチングセッションのコーチ役が難しく、
フィードバックしていただいてもこれで良かったのかと不安でしたが、
難しいからこそ、自分のものにしたいとイメージトレーニングをしたり、
何度も繰り返して上手くなりたいと思いました。
セッションでは難しいと感じましたが、共感を意識して話を聞いていくと
「うれしかった」と感想をもらい、これでよかったんだ、とホッとしました。
これからも意識していきたいです。
柏市子育て支援講座 第3回目
第三回目では、第二回目と同じく
研修間フィードバックでいただいた声を元に、
コーチングの振り返りと共に
足並みを揃えて対応をしていくためのチームワークについて
思いを馳せ、チーム内で語り合う時間を取りました。
以下、レジュメよりご紹介します。
1.魔法の手遊びVol.3
2.前回の振り返りとコーチング
距離感を縮めて行った先に、自己開示が起こる
「じつは・・・」
答えは相手が持っている
寄り添う先に、光が見える
実際に現場でやってみる中で、感じた手ごたえ
「心を開いてくれた」「笑顔になった」「また来てくれた」
質問・後押しは難しい?
どう問い掛ければ?どう後押しをすれば?
コーチングとは?対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、
コーチングを受ける人(クライアント)を目的達成へと導くことを指す。
大前提は、「相手の中に、答えがある」
コーチング5つの要素
①ペーシング
・場に寄り添う
・相手のペースに寄り添う
・相手の言葉に寄り添う
・相手の感情に寄り添う
・相手の表情に寄り添う
⇒相手が安全と感じ、心を開く
②質問
質問によって、視点が転換する
1.現状を客観的に捉える質問
「何が起こっていますか?」
2.気持ちを引き出す質問 *保育は感情労働
「どんな気持ち?」
3.どうなりたいかを引き出す質問
「理想としては?」
4.行動を起こさせる質問~アクション
「そのためにはまず、何からできる?」
③観察・フィードバック
<観 察>
相手は、自分の状態になかなか気が付かない。
客観的に様子・気持ちの変化・表情の変化を観察すること。
<フィードバック>
観察によって感じたことを伝えること。
発しているサインを受け止め、伝えることで、
相手に気づきや変化が起こる。
④承認
・いいところ
・できていること
・上手くいっていること
~を伝えることで信頼感・安心感が生まれ、
次の行動を起こす勇気につながる。
⑤ 行動を後押しする
・小さな一歩は何か?
・できそうなことは?
・それをすると、どうなるのか?
・気持ちを後押しする勇気づけ
「あなたならできます」
「応援しています」
「困ったらいつでも相談してください」
~声掛けによって背中を押す
<コーチングセッション>
【クライアント】
①兄弟の中でも、つい兄の方ばかりを
叱ってしまうことについて
悩んでいる母親役
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
【クライアント】
②リフレッシュ一時保育に
子どもを預けることに罪悪感を感じて
いる母親。二人でいると思い詰めて
しまうため、必要な時間である。
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
【クライアント】
③せっかくセンターに来たのに、
子どもが自分にべったりで離れてくれないことに
困ってしまっている母親
【コーチ】 母親に悩みを打ち明けられたケース。
コーチングのスキルを使って
一緒にクライアントの学びの振り返り
【オブザーバー】
セッション終了後に観察・フィードバックを行う
3.難しい保護者とニーズ
思いを受け止めることが出来た上で、
表面的なやり取りの奥にある“相手の本当のニーズ”に耳を傾ける
<ニーズ:相手が本当に求めていること・必要としていること>
・子どもへのかかわり方へのクレームや嫌味な質問が多い
→子育ての知恵を必要としている、情報が欲しいなど
・イライラしている、子どもに当たる
→ 不安が大きい、自責の念 など
・子どもを突き放す、冷たく当たる
→ 心のゆとりが欲しい、一人の時間が欲しい
・不安・渇望感・焦りがにじみ出ている
→ 承認を求めている
・責められているように感じている(被害者意識など)
→自分の思いを理解して欲しい
4.ケース検討 : 誰とも話をしない親子
支援センターへたまにやってくる親子。
笑顔で話し掛けても応じることはなく、
他の親子とも会話を交わさない。
子どもも一人遊びが好きで電車遊びなどに集中しているが、
たまに他児に話し掛けられると 母親は露骨に嫌な顔をするため孤立している。
~何が起こっていたのか?
<ケースの振り返り>
•母親のニーズ
•母親の中で起こっていること
•どのように対応をしていくか
大切なのは、
表面的な出来事に翻弄されるのではなく
「心の奥のニーズを捉え、
受け止め 協力体制を築く」ことながら
<センター内のチームワーク>
それぞれの個性や感性を大切にしながらも
統一感ある対応・協力体制が
職員間の信頼関係・利用者の安心につながる。
5.チームビルディング4つのステップ
1.Froming (フォーミング)成立期
2.Storming(ストーミング)動乱期
3.Norming (ノーミング)安定期
4.Performing(パフォーミング)遂行期
Q.あなたの職場はいま、
どんな段階にいますか?
Q.どんな場所でありたいですか?
・あなたの思い
・みんなの思いが合わさって・・・
「こんな場所」に
Q.そこに来ると、人はどうなりますか?
・一人一人の表情を思い浮かべて
・この場所の存在意義
そうなっている状態を、イメージしてみましょう
そうなっている状態を、イメージしてみましょう
・その中にいるあなたを感じてみましょう
・仲間の存在を感じてみましょう
6.ラインを決める
•チーム内の価値観をすり合わせる
「ここまではいいけれど、ここはアウト」
<話し合ってみましょう!>
スマホに夢中な母親。子どものことはほったらかしで
スマホの向こうとコミュニケーションをしている
Q:背景は?
Q:ニーズは?
Q:センター内でのラインは?
7.子育て支援としての情報提供
<気になることがあれば、キーワードを入れて検索で情報収集を>
•児童相談所
~子ども関するあらゆる問題について、どうしたら児童の健全育成が図れるかを
専門的に調査・判定し、指導をする。柏市児童相談所など
•母子健康推進員
~母親・子どもの健康増進のため、地域・母子・市町村のパイプ役として、
相談・見回り・アドバイス等サポートをする。
•療育センター
~ことばが遅い、落ち着きがない、友達とうまく遊べない、聞こえに心配がある、
ハイハイしない、歩かないなど、気になることがあれば、専門家に相談も。ウェルクス柏など
•シングルマザー 就労支援
~日常の悩み・母子父子寡婦福祉資金の貸付の相談・就業のための情報提供などの支援
母子・父子自立支援プログラム策定事業
•家庭支援
~保護者の外出時の預かり、送り迎えなど
かしわファミリーサポートセンター
8.まとめ・振り返り
1.魔法の手遊び
2.前回の振り返りとコーチング
3.難しい保護者とニーズ
4.ケース検討 :誰とも話をしない親子
5.チームビルディング4つのステップ
6.ラインを決める
7.子育て支援としての情報提供
8.まとめ・振り返り
人は葛藤する生き物。
信じて見守ることは、愛であり、勇気。
迎える側が深い愛で場作りをしていくことが
親子の力になります。
揺れながら成長して行く親子の可能性を、
あたたかく見守っていきましょう!
<参加者の声>
・保護者も子どもも保育士も、一人の人間であるといること。いろいろな事情を抱えていき、同恭三んしていくか常に考えていますが、だれが正しく、だれが間違い化ではなくどうしたらよりよく生きられるか。それだけの話なのですが。保いうという現場において、その人の立場に立てる姿勢の重要性をあらためて感じました。
・ふだんん、保護者のコミュニケーションの場を大切に心がけてはいますが、今後は保護者が本当に求めていることや必要としていることなど、気持ちを汲み取ってあげながら関係性を深めていけるようにしたいと思いました。
・職員間での情報交換や共有することがとても大切だと感じました。
職員で対応方法を統一させていく必要性を実感しました。
・保育経験年数が増えると、ついつい自分の経験や思い中心に保護者と対応をしてしまうことがあるなぁと反省。
コミュニケーションを今一度考えてみようと思いました。
これからの保育、保護者とのかかわりを考える良い機会になりました。
・やだな~と思う批判・リクエストと受け止め、何を求めているのか?どうしてあげられるのか?
考えたら気持ちが楽になりますね。
批判されると批判したくなります。口では言えないので、心の中で…。
・ず~っと聞いていたかったお話。
明日への保育に役立たせていただきます。心より、感謝いたします。
・保護者からの要望が年々増え、難しい子ともいわれるようになり 対応が難しいと思っていたので
きょうはとてもいい勉強になりました。
保護者が難問を押し付けてくるのも、保護者の内面と会話をしていくと良い方向になると気が付きました。
これから会話を大切にしていきたいと思います。
・伝えても伝わらない親への伝え方、絵を描くように伝えることは大切だと思いました。
共通のゴールを見出すために一緒に考えていきたい。
・ワークをしながらの講義だったので頭に入りやすくかった。
自分が保護者対応するときにやってみようと思った。
保育者が向ける保護者への姿勢が、保護者からの信頼につながることをあらためて思った。
・実際にお隣の方と声に出したことで、日々の保育・保護者対応を振り返ることができました。
トラブルがあるとき、必ず職員で話し合いますが、学んだステップを大切に、取り組みたいと思います。
・文句を言う保護者に対して、実際に先生が伝えたこと・方法を見れて、分かりやすかったです。
・ありがとうございます。
感情的にならず、一息おいて…がプロなんだと、再確認しました。
・相手の気持ちになって考える大切さを痛感いたしました。
今後の保育につなげていきたいです。
連絡帳に書く内容が毎日の生活で同じようなことが続くことがあります。明日から毎日ひとつテーマを決めて、
今日は給食の時間、など そのことを中心に書いてみようと思います。
・コーチングのプロセス・重要性について
コーチングを意識していると言葉がスラスラ手で来ないかもしれないという不安はありますが・・・
共通のゴールを見出すために、努力したいと思います。
・保護者と信頼関係を築くかかわり方、マニュアルはないが、
日々の中で積み重ねていくことの重要性(大切さ)に気づきました。
難しい保護者にかかわる上での4つの視点がよかったです。
・保育士側の常識と保護者側の常識は違うのかもしれない、ということで
相手の想いをよく読み取ること・こちらの糸・背景をしっかり説明することなどが
共感できました。
・ぐいぐいと引き込まれるようなお話の内容に、感動いたしました。
・ふだんの保育をしている様子を思い浮かべながら、ワークさせていただきました。
本当、些細なことでも、お互い子どもを大切に思う気持ちは”共通”なので、こうあるべき、ではなく
相手も思いやる・思われる関係を築いていきたいと思いました。
・結果を求めて相手に対して決め付けないことで、
心の声・本当はこう思っている声が聴けるのだと分かりました。
・NHKの有働アナウンサーのような松原先生。
実例交えて、とても分かりやすかったです。
・相手に寄り添うペーシング(合わせる、とても良いことと思いました。そうですね、そうですね。)
相手のニーズに合わせる(ガンバリマス)
良いお話ありがとうございました。グー!
・やはり子育て支援は親支援ということが改めて実感できました。
保育ルーム(事業内保育)と親子広場でお仕事させていただいていますが、
どちらの現場においても、とても役に立つお話でした。
・ほぼすべてに共感でき、ほかの園でも同じなんだと、自分の対応はよかったんだと思えることが多々あり、
励みになりました。
こんなに時間が短く感じ、眠くならなかった講義は久しぶり(初めてくらい)でした。
・実際に起きた事例をお話しいただきながら、どう話したか、どういう言葉づかいて話したのか、
どういうテンションでお伝えしたのか…実践に使えそうでとてもよかった。
・いつも悩んでいることでしたので、勉強になりました。
理想のようにいかなくても、、毎日頑張っています。
・ペーシングやコーチングは、保育現場だけでなく、自分の身の回りの人たち(家族・友人・職場仲間など)でも
役立つお話でした。
「言葉の奥にある感情に寄り添う」ことは、私自身が子育て体験で痛感したことで、
つねにそういう気持ちを意識て人とかかわる努力をしています。
・毎回欠かさずに出席していますが、今回はとても貴重なお話に、自分自身を振り返り考えさせられております。
この後、職場の懇親会があるため 今日のお話をしていきたいと思います。
・身近に起こりうる問題をテーマに、分かりやすくお話していただき、参考になることが多くありました。
相手の気持ちになるということ…ついつい自分を出してしまいがちですが、
相手の心にアンテナを立てるという言葉を常に考えること。難しいですが、実行したいと思います。
初めての方との交流タイムを入れていただいて、とてもよかったと思います。
・私は管理者ですが、ふだん保育士たちに保護者とのかかわり方について感覚的な要素でしか指導できておらず、
困っていました。本日、先生の講義を聞いて、手法として指導がしていけるような気がしています。