そんなつもりはなかったのに…
受け取り手が涙ぐんでしまい、オロオロしてしまう。
~そんな体験、ありませんか?
今思うとーーー
20代の頃、中学生の子に少林寺拳法の練習で
自分はかわいがって声を掛けていたものの
いじめられていると受け取り、泣かれてしまったことがあります。
「ごめん、そんなつもりじゃなくて…。
かわいくて、からかっているつもりだったんだけど。
若い子にどうかかわったらいいか、分からなくって。」
~その体験を通じて、自分はそんなつもりはなくても
相手がそう受け取ってしまうと いじめのようになってしまうのだと
苦い学びをさせていただきました。
(その後は、少林寺女子会をするなど、仲良しになりました)
これが職場の上司や先輩と、後輩や職員さんとの関係性だと
ハラスメントの構図になってしまうのかもしれません。
じつは、保育現場のハラスメント研修にご依頼をいただいたのは
6年前 ある地域からのご相談が始まりでした。
そのころから厚生労働省の「明るい職場応援団」や
認定研修を受講していく中で
「今思うと…こういうことだよね」という事例が蓄積されていきました。
今回、ある地域での 一般保育者・管理職 それぞれを対象にした
「ハラスメントの防止について ~保育職場に潜むハラスメント~」
…を担当させていただきました。
事前アンケートでは、
「うちの園では、ないと思う」
「どこからがハラスメント?もしかして自分も?」
「閉ざされた関係性の中で、声を上げづらい」
「ハラスメントって、時代によって変わりますか?」
~などなど、声をいただいておりました。
対象者が 一般の先生たちと管理職以上の先生たちということで
・されている可能性がある方向け
・してしまっている可能性がある方向け
~という分け方もできれば
・園内でハラスメントが起きている前提
・これからに備えたい園向け
~という視点もあり
ハラスメントの概念が更新されていること・
厚生労働省のページも厚みが増していることも踏まえて
このような形で構成を練り直しました。
1.保育職場におけるハラスメントの現状
2.ハラスメントの定義と6分類
3.保育現場でハラスメントが起こる背景
4.職場としての姿勢とチームサポート
5.関係性とコミュニケーションの工夫
みなさんからのリクエストは、
「保育現場に特化した事例を」とのことだったため
一般保育者対象の回は
現場の出口のない不安感を抱えている方の声に寄り添いながら
「では、何がハラスメントなの?」というところで
エピソードの内側の心情を丁寧に認識を掘り下げつつ、
できることを見つけていく ところに比重を。
管理職対象の回は、
他意はなくとも、心理的ランクの関係で立場がある方の発言や言動は
組織に大きく影響してしまう可能性がある…というところをお伝えすると
すうっと背筋を正される方もいらっしゃり。
概念を踏まえて
「もしかして…これもハラスメントに当たる?」
~という分類をご紹介し
「職場のマネジメントの中で、やむを得ず○○な時…
どうしたら誤解されないのか?」
…と、配慮のをご提案をさせていただきました。
特にみなさんの前のめりな熱を感じたのは
「万が一、ハラスメントが発生した時には、どうしたら?」
~というところ。一生懸命に思いを馳せ、メモを取られていました。
ハラスメント…というのは
訴えたら終わり、声を上げたら終わりというわけではなく。
どんな職場にしていきたいか?
求められるものが多い保育現場において
どう工夫をし、よりよい状態を作っていくことができるだろか…
という、風土改革の課題でもあります。
まずは、認識を持ち、声を掛け合うことから
始めていきたいですね。
園の窓口で対応される方には、
厚生労働省のこちらのページもお役立てください。
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/index