こんにちは、スタッフの山本です。

本日も松原の記事をご紹介します。

ーーーー

(2015年8月14日記事)

こんにちは、保育・育児アドバイザーの松原美里です。

8月8日(土)に、保育士コミュニケーション講座

「後輩育成・指導がうまくいく4つのポイント」

~見て盗めは通じない!「当たり前」を言語化する~

を開催しました。

 

 

 

 

参加者の持ち寄った課題としては、

・余裕がなく、クラスを回すのでいっぱいいっぱい

・自分自身が教えてもらった体験がないままに育成側になってしまった

・指導をしているつもりが、人が辞めてしまう。

・続けて辞めてしまったので、腫物に触れるような育成になってしまう

~といったものがあり。

これらを踏まえつつ、ワークと現場で起こっている事例などを絡めての

3時間の講座となりました。

以下、レジュメからご紹介します。

---------------


1.保育現場 育成の課題

・後輩育成 ~ 「見て、盗め」は通用しない?!
‐新たな育成方法の再構築

・保育士のマネンジメント・モチベーションUP
‐自発的に動く保育士を育てるには?
‐仕事に対する意欲を高めるには?
‐活発な意見飛び交う会議を行うには?

・メンタルのフォロー、途中退職の防止
‐心が折れてしまう前に、保育士のフォロー
‐保育士不足な状況の中で退職を防ぎ、足並みを揃えるために

・多様性あふれる保育現場
‐男性/女性
‐新人/中堅/ベテラン
‐20代/30代/40代/50代/60代
‐ 生え抜き職員/他園を経験した職員
‐保育の道一本/異業種からの転職
‐保育に思いを持っている人/仕方なく保育をしている人

・マニュアルが活用できる人・できない人
-マニュアルを読み込み、実践テキストとして生かす人
-あることで安心して「見て」終わる人
~それぞれに合わせた育成が必要

・ほうれんそうが機能しない?!
-報告~何を報告すべきかわからない
“チーム”としての仕事のイメージが湧かず、影響力が見えない
-連絡~自分で把握すればいい部分と、伝える部分の区別がつかない
連絡が行き届かないことによるトラブルがイメージできない
-相談~これまでに相談をした体験が少ない
自分で考えるべきことと相談すべきことの区別がつかない

●相談~報連相が機能するとき
・やらされ感ではなく、目的意識を持ったとき
・自分ごとになったとき
・チーム意識が芽生えたとき

2.現場に有効な育成の方法

【模   倣】
従来のやり方。自発的に気づきを得て、行動を獲得していく。

⇒「見て覚える」もアンテナ次第。
失敗からの振り返り⇒アンテナを立った後に吸収・チャレンジを促す

【ティーチング】
教えることが主流。
( 早番遅番の流れ・指導案の書き方・
リーダーの役割・子育て支援の在り方…etc )
⇒ティーチングが機能するのは最初の土台をつくる段階と、
答えを求めている時

【コーチング】 
共感・質問・承認・見守りよって
自分の中にある答えを引し、行動学習とつなげていく。
⇒「体験から学ぶ」「気づき力を高める」

~模倣・ティーチング・コーチング
すべての合わせ技が、現場では大切~

* 後輩指導で大切なのは、
ゴールの共有と成長をサポートするコミュニケーション

<あなたの職場で課題と感じていること>

<この時間の最後に目指す状態、園に持ち帰りたいもの>

*目標設定・現状認識が重要(意識化する)~セルフコーチング

3.指導に役立つ伝え方

指導する側も心的ハードルが高いもの。
“心が折れてしまう”のを防ぐには・・・?
「お説教」「うざい存在」にならないためには・・・?

ポイント1.「自分のためになる」ことが、相手に明確に伝わること

 

 

 

 

 

 

 

 

●人はみんな、自分が大切。
「どう、自分のためになるのか?」が明確に伝わること。
Ex:
・信頼につながる
・頑張っている姿を評価されやすくなる
・自分自身の経験値・成長になる
・“良い先生”へのステップになる
・子どもの気持ちをまとめやすくなる
・クラス運営がスムーズになる
・保護者からの信頼が厚くなる
・・・etc
ポイント2.「この人がいうなら厳しくても受け入れてみよう」と思える関係性
●ふだんからのやりとりで信頼関係の土台をつくる
・たわいもない話で、お互いの存在を受け入れ合う
(好きなこと・得意なこと・気が付いたこと・子どもの話題など)
・無条件の承認(存在として認めている)
・人格否定ではなく、出来事に対しての指導を
~といったことを通して、「この人と一緒にやっていきたい」と思える関係性を!

ポイント3.指導側の意図を、思いの部分から共有する
●誤解されやすい、保育指導。
「相手のため」という視点から、思いや可能性を伝える

Ex:「それが出来る様になることで、 あなたにこんな風になってほしい。」
「あなたにはこんな可能性がある、 それがもったいないと感じている・・・」
「ここは厳しいかもしれないけれども、
乗り越えた先にこういった充実感が待っているから、越えて成長してほしい。」
~と、ということを、あえて言語化し、相手の心にまっすぐに届ける

●黄金ルール
【伝えたいポイント】+【相手にとってどんな意味があるか】+【投げ掛け】

EX:あなたの後輩は時間にルーズで、遅刻が目立ちます。
どう伝えるとよいでしょうか?

Q.相手にどうなってほしいのか?
→時間を守って勤務できるようになってほしい
Q.相手にとって意味のあることは?
→頑張っている姿勢を認めてもらうこと、信頼を得ていくこと
Q.伝える文を考えてみましょう!
「ふだんあなたが一生懸命やっていることが、相手に届きにくくなります。
頑張っているのだから、みんなから信頼してもらえるように時間を守りましょう。
何ができますか?」

<Let’s TRY!>
仕事の中で敬語がうまく使えず、先輩に対して“タメ口”を訊いてしまう若手職員。
言葉の使い方をどう指導すればよいでしょうか?
Q.相手にどうなってほしいのか?

Q.相手にとって意味のあることは?

Q.伝える文を考えてみましょう!

4.“ほうれんそう”が機能するために

なぜ“ほうれんそう”は必要なのか?
“ほうれんそう”が行われないと、どうなるのか?
“ほうれんそうの意義”とは?
“ほうれんそう”がうまく機能するためには、何が大切なのか?

●目的のための前提を言語化する
ほうれんそうの必要性を実感できるようになるには、
「体験から身に沁みる」少し時間が掛かる。
重要性を伝えながらも、待ってもいられない?!

~後輩がイメージできるようにお話し、
“ほうれんそう”へのモチベーションを高める。

「じつは・・・私もこういうことがあって
報告・連絡・相談の大切さを学んだんです。
だから、保育の中でちょっとしたことでも声を掛け合って、
困ったこと・これはどうなんだろうって思ったこと・ひとつ前に進んだこと・
終わったことを、一緒にやっている先生に共有して下さいね。」

<あなたのほうれんそうにまつわるストーリー>

●役立つ場面・必要な場面を共有する
どんな場面で「ほうれんそう」あるとお互いにやりやすいか?
新人はイメージがしきれず、見落としてしまう可能性も・・・。

「作業を終えたら、確認したいから、報告してね」
「画用紙がなくなったら、次のものを買い足す必要があるから、連絡してね」
「保護者とのやり取りで判断に迷う場面があったら、即答せずに相談してね」

~具体的に例を挙げ、相手と共通の認識が持てるようコミュニケーションの土台を築く。

「おや?」「どうなってるんだろう?」~疑問を感じたら・・・。

●ほうれんそうは、双方向に。確認は気付いた人が。
「あの時、確認しておけばよかった・・・!」と残念な出来事も・・・?!
すかさず、確認の声掛けを!
コミュニケーションの積み重ねが、スムーズな保育につながっていく。

5.成長を促すコーチング

コーチングとは?
対話によって自発性を引き出す、人材育成に有効な手法。
馬車が人を目的地まで運ぶことに由来し、コーチングを受ける人(クライアント)
を目的達成へと導くことを指す。大前提は、「相手の中に、答えがある」

●質問によって、無意識を意識化する
人は意識上に上っているものよりも、無意識の領域が大きい。
~相手の言葉の奥にある感情を受け止めて、掘り下げていく

「何が分かりましたか?」 (後の振り返りによって、伝わった内容を確認)
「どんなかんじがしますか?」 (相手の内側で起こったことに焦点を当てる)
「何が起こりましたか?」 (その時の状況を、本人の目線で話してもらう)

●課題が自分ごととなり、気付きが深まる
「学んだことは何ですか?」 (体験したことから学習する機会を作る)
「何を大切にしていきたいですか?」(大切にしたい価値観を探る)

●さらなる質問によって、次へとつながる行動を引き出す
「まず、何からやってみますか?」(次の自発的な行動を引き出す)

●その後の流れを確認する
「いつまでにやりますか?」(期日の確認)
「できたら(やってみたら)、教えてくださいね。」(経過の見える化)

6.まとめ・印象に残ったこと

<ワーク>  ここまでの振り返り
●コーチ役:コーチングのかかわりで、
クライアントの気づきを深める

●クライアント役:本日の講座を振り返って、
気づき・学び・やってみたいこと
~「相手の中に答えがある」ことを信じて、
上記の質問をしてみましょう!

●オブザーバー役:変化・気付きいたことを
二人にフィードバックする

<参加者の感想を、一部ご紹介します>

 

 

 

 

 

・先生の体験を通してのお話が分かりやすかったです。
自分自身の反省点が見つけられて、
改善していく道が少しだけ見えたと思います。

・ほうれんそうの大切さ・意義についてあらためて考えました。
後輩に求めるだけでなく、自分が実行して行こうと思います。

・指導に役立つ伝え方で、自分が逆の立場を経験しているので、
とても納得できました。
一人一人に合わせたコミュニケーションのやり方が大切ですね。
まずは相手を受けとめることから始めていきたいと思います。

・保育現場で生かすコーチングのような記事を読み、
実践してみたが、言葉に一杯になってしまって上手くいかなかった。
今回は体感が出来たので、次回はもっと生かせると思った。

・仕事が忙しいからといって、
相手の気持ち(教えてもらっている側)を考えず、
一方的な教え方でストレートな言い方で
指導や職員とのやり取りをしていたことに気が付いた。

・「先輩の背中を見て学ぶもの!!」と、
今まで、自分の経験を元に指導していたことに気づかされた。
自発的に気付きを得るには、守破離の順番があること。
育成の主役は先輩側だと思っていたが、後輩側だということを意識して行きたい。

・ほうれんそうについて、あらためて考えたことはなかった。
今日の講座を受けて、日々の保育をひりかえることが出来た。
まずは、自分からコミュニケーションを取り、
円滑に園の空気が流れるようにしていきたい。

・コミュニケーションにはエネルギーが必要で、
自分は忙しさを理由に逃げて来たなということをあらためて感じた。
投げ掛けることの大切さを感じました。
職員としっかり話して、認めていくことを増やしていきたいと思います。

ーーーー

★関連記事★

▶︎相手も自分も尊重する伝え方「アサーティブ」

▶︎保育園の人間関係「三方良し」な伝え方

▶︎伝えるから伝わる話し方へ4つのポイント

ーーーー

以上となります。

本内容の実践ワークをご希望の方、

松原美里への講演のご依頼は、

お問い合わせ」より、承っております。